大阪府は2007年度、児童虐待を行った保護者が虐待を繰り返さないよう立ち直りを支援したり、児童のケアを充実させたりするなど総合的な施策「すこやか家族再生プロジェクト」を展開する。同年度予算案に関連経費約2400万円を計上した。
府内の児童虐待相談件数は、05年度で3885件と全国の1割強を占めており、増加傾向にある児童虐待の再発防止を図るのが目的。再生プロジェクトは、(1)保護者の支援・指導(2)虐待を受けた児童の心身ケアの充実が柱。これまでは虐待の早期発見、児童の早期保護に重点を置いた施策を講じていたが、今後はこれらと併せ、本格的な再発防止策に取り組むことにした。
具体的には、児童虐待の発覚後、子ども家庭センターの接触を拒んだり、指導に従わなかったりといった対応困難なケースについて、個々の事例を分析し、同センター職員の経験・知識を蓄積し、パターン化することによって体系的な取り組み手法の確立を目指す。
自分の行為を反省し、虐待をやめようとしている保護者に対しては、民間非営利団体(NPO)などが開発した支援プログラムを活用し、3年間にわたってその効果を検証する。虐待の態様や親や児童の関係などさまざまな類型に応じた支援ができるよう、大阪版親支援プログラムの開発を進める。
虐待を受けて養護施設や一時保護所に入所した児童に対しては、日常的に家庭で習得すべき常識や基本マナーといったソーシャルスキルを磨くための支援・指導を充実させる。
記事:官庁速報

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