運送会社から電話があって、
「今から配達に伺います!」
あ〜〜っ!
ついに! ついに…!!!
胸がドキドキし始める。
40冊入りの重い箱を8個、階段で5階まで運んでくれた。
そのたいへんそうな様子に、何か冷たいジュースでも…と思ったのだが、冷蔵庫を開けるとビールしかない。
(ビールはまずいかなあ、やっぱり)
棚を開けたりしてウロウロしてる間に帰ってしまわれた。
ちゃんと何か用意しておくべきであった! と反省。
そして、
箱を開ける前にしばし祈る。
(サポートしてくれたすべての人に、そしてモデルになってくれたすべての人に、深謝。この本がみんなに幸せを運んでくれますよう…)
そして、カッターナイフで箱を開ける。
手に取る。
「!」
自分としてのコメントが何も出てこない。
ただ、胃のあたりがうわずっているような感覚。
思わず泣くのかなあと思っていたが、そんな感じでもない。
冷静でもないし、うれしくないわけがないのだけれど、すごく不思議な感じがした。
この感じをうまく表現できたらなあ…。
2時間ほど見て、出版社の社長に電話した。
日曜だというのに、携帯にかけて、どうしてもすぐお礼が言いたかった。
「お休みのところすみません」
「あ、届きました?」
彼はいつもストレートでシンプルだ。
「ものを創り出す人」という感じ。
そして、深〜〜い。
やさし〜〜い。
寺島さんにもかけたが、連絡がつかなかった。
残念。
それからまた、3時間ほどじっくり読んでいた。
きっと、一番熱心な読者は自分だろう。
描いた1枚1枚の絵に、思い出がある。
あのとき彼女はこう言った。
このとき彼ははにかんでいた。
そして私はこんな気持ちだった…。
違う、こんなじゃない!
うまく描けないっっっ!!!!
1枚1枚の絵に時間と心をいっぱい注いで、それが集まって1冊の本になった。
ほとんどこの3年の自分に等しい。
いや、自分だけでなく、そばにいて支えてくれた家族、会社を長期休むことを理解し応援してくださった所長、その間迷惑をかけたにもかかわらずいつもやさしくしてくれた同僚、出版に同意してくださった出版社の社長、撮影してくださった寺島さん、絵を運んでくださった田中さん、色を出すのに骨折ってくださった印刷会社の方々。
そして、私に「描きたい」という気を起こしてくれたバリ島の友人達。
そんな、いろんな人のエネルギーの集まりみたいなものが、ひとつの形となって、私の手の中にある。
まとめると、
深い感動と、感謝。
すべての人にお礼を言います。
ありがとうございます!!
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これで、「バリ島絵日記」のブログは終了します。
見に来ていただいた方、ありがとう!
心から感謝します。

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