幼稚園での「学び・遊び」が、どのように小学校以降の学びにつながっていくのか。
今回の学習指導要領のキーワード、「資質・能力」「主体的対話的な深い学び」「学びに向かう力」等に込められている意図は。
「資質・能力」と学びのメカニズム(奈須正裕)東洋館出版社
本書53〜54ページから引用
“資質・能力とかコンピテンスというと、何かとても高度なものを思い浮かべるかもしれませんが、実はそうではありません。人間がその誕生の直後から、誰に教えられるでもなくごく自然に展開している学習が、すでにコンピテンス的であり、アクティブラーニングなのです。というか、人はそもそもアクティブに、コンピテンス的に学ぶのであり、実はそのようにしか、ごく自然には学べないのです。”
“その意味では、幼児教育で展開されている学びが、その先の学校教育のあり方を考える上で非常に参考となります。幼児教育での学びはすべてが渾然一体となって進んでいきますし、そこで培われているのは資質・能力そのものだからです。時折、旧来の小学校のまねをして要素的な知識・技能を教え込もうとしている幼稚園も見かけますが、それが長期的に見て子供の育ちに重大な問題を残すであろうことは、すでに疑いの余地がありません。”
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引用したい箇所は他にもたくさんありますが、とりあえず。
著者の奈須正裕さんは、上智大学の先生で、今回の要領改訂にも深く関わっていらっしゃいます。
これまでの学習指導要領では、どちらかというと、コンピテンスよりもコンテンツ(内容)が注目されてきました。つまり、何年生で何を教えるのか、ということです。
しかし、今回の要領改訂においては、コンテンツを学ぶ過程で、どのようなコンピテンス(資質・能力)が育まれるべきか、というところまで踏み込んでいます。
小学校以降の教育において、コンピテンス的な学びを立ち上げるために、幼児教育を参照すべき、というのはとても示唆的なことだと思います。
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今、人気の3大ロックバンドと言ったら、RADWIMPS、SEKAI NO OWARI、ONE OK ROCK(あくまで個人的な見方)ですが、その3つの違いがあまりよく分からない、と言ったら、娘(中3)に「全然、違う!」と即ツッコまれました。
でも、中でも歌詞が一番文学的なのは、RADだよね、というところでは一致しました。
そのRADの「正解」という曲、まさにこれからの「学び」のあり方を端的に歌っていると感じます。