七夕の日に近所のスーパーに出向いた所、店先に笹の木が立てられてあった。
見てみると、ここいらにある幼稚園か保育園か、そんなところの園児たちが作ったとみられる短冊が大量に飾られてあり、そういやオレも幼稚園くらいの頃、父親と一緒に近所のちょっと大きめの川っぺりに自生している笹の木を取ってきて、近所の子達と願い事を飾っていた記憶を思い出してちょっと懐かしくなった。昭和の風景である。
七夕の物語と何かの脈絡があるようで無いような気もするし、笹の木に願い事を書いた紙を吊るせばそれが叶うとか誰が言い出したか知らないが、こういうのは嫌いではない。
子供たちの子供たちによる子供たちの為の七夕の楽しみ方なのである。

「プリキュアになりたい あいか」
かわぇぇのう、かわぇぇのう(´∀`)
初期の白と黒の時代からシリーズ化されるにつれ、戦闘シーンの描写の綿密さに加え、より構築された物語の背景設定等、なんだか松竹ヌーヴェルヴァーグかよ、みたいな憂愁の物語と変化してきているプリキュアシリーズ。その何番目のプリキュアになりたいのか?既存のキャラクターではなく、敢えてプリキュアという漠然とした存在の概念を書き記す事によって、キュアピーチやキュアベリーではなく、彼女は自分だけの「プリキュアになりたい」という意思を力強く天空にまします織姫さんと彦星さんに示したのである。ある意味、これは誓いの言葉として受け取っても過言ではないであろう。己が主人公となり、己の力だけでこれから先の自分の物語を作っていこうとする固い意思がみうけられる一枚である。子供ながらあっぱれである。
一見、言葉足らずのように見える子供たちの言葉にはとても深い意味が込められているものである。次の一枚はその最たるものである。

「かめんらいだー」
貴様ァーッ!!そんな投げやりな勤務態度で仮面ライダーが務まると思ってんのカァー!!(゚Д゚)
もはや何が仮面ライダーなのか、好きな子が仮面ライダーなのか、というかお前は一体誰なんだ?全くもって意味不明に見えるただの単語。
しかし見て御覧なさい、極限にまで無駄をそぎ落とした書きっぷり。昭和46年に始まった第一作から一貫して貫き通されている、ライダーはその正体を他人に明かしてはいけないという、故、石ノ森正太郎先生の教えを忠実に守っているではありませんか。
決してこの子はやる気が無いワケじゃないんです。
その振り上げた拳をどうぞ治めになって、お母さん。ドゥドゥ。この子はもう既に気持ちはライダーなんです。
しかし、大人は分かってくれないものなのです。

「ママがもっと優しくなりますように」
だよね!だよねっ!
切実な願いである。

「腹ひっこめるぜ」
おっさんだろ!お前っ、子供の振りして書いてるケドおっさんだろ!
ここは子供の願いを叶える笹の木なのよっ!`;:゙;`;・(゚ε゚ )ブッ!!
たまに子供の願いに便乗してこういう願いもちらほら。
しかし、どの願いも実現不可能である所が子供らしくて面白い(腹ひっこめるぜも含む)

85