まよなかのだいどころ

ミッキーは、夜中に聞こえる音が騒がしくて、「うるさいぞしずかにしろ!」とどなったら、暗闇におっこちて、下の部屋を通りぬけ、裸ん坊になってついたのが、明るい真夜中の台所。そこでは3人のパンやさんが朝のケーキを焼いていたのだ。
子どもの頃に思い描いた空想世界にひととき戻れる大人であれば、モーリス・センダックの作品は非常に面白く、楽しめると思います。大人になると絵本や読物にメッセージ性や教訓めいた、所謂、寓話性を求めがちになりますが、空想(想像・夢想・推察・類推)世界を持つことも大切ではないかと思います。
モーリス・センダックの描く絵はお世辞にもかわいいとは言えない。”キモカワ”とでも言おうか。独特な暗さと雰囲気を持った作品が多い。
けれども、多くの子どもたちのハートを掴むのだから、子どもの目線や気持ちをしっかり捉えた作品であることは間違いないだろう。
この絵本の大きな特徴は、絵本にコマ割りや吹出し(劇画的手法)を取り入れている。有りそうで無かった作風も一見の価値があると思います。

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