第一章 君と僕の、世界のハジマリ  君と僕の、世界の均衡

04.草原の中で

3人で縦一列に並んで歩く。
先頭は一番背の高い水谷。
次が俺、最後が栄口。
大して身長は変わらないが
一番小さい俺が真ん中のがいいらしい。
「ねぇねぇ〜
一向に近づいてる気配がしないんだけど…」
確かに…
前方に見える塀は近くもなく
遠くもない…
これはあれか?
ここで何か探さなきゃ辿り着けないとか
そういうパターンか?
「あのさ、
ちょっと他のところ見てみねぇ?」
「え?なんで?」
水谷の馬鹿は意味が分からないらしいが
栄口はそうでもないらしい。
少し考え込むような仕草をして
「そうだね」と笑顔で賛同した。
「ばらばらになって見た方が効率いいかな?」
「まぁ…危険もなさそうだし。」
「何を見るの?」
俺は相変わらず頭の上に?を浮かべてる水谷を見て
溜息を付きながら、
「なんでもいいから
ここにあったらおかしいもの」
「うん?わかった」
本当に分かったのかよと言いたくなるのを押さえて
俺は2人と別れる。
お互いの姿が確認出来る距離…という条件で分かれたが
何も遮るものがないこの草原では
何の意味も持たない。
「結構遠くまで来たな…」
こんだけ歩き回っても何もない。
ということは俺の仮説は間違っていたか…
はぁ…無駄な体力使ったな…
そう思い戻ろうとした時
「泉!!水谷!!こっち!」
栄口の焦ったような声が聞こえた。
俺は直ちに栄口の姿を探す。
位置は大体右斜め後ろくらいか
距離は…そんなに遠くないと思う。
100〜200メートルくらい
長い草のせいで走りずらいが、
そんなのを無視して栄口に駆け寄る。
後ろから水谷も走ってきてる。
「栄口!どうした!」
引き攣った表情の栄口が振り向く。
その右手は草むらの中を指差している。
栄口の近くまで行って分かった。
彼は草むらの中を指していたのではない。
草むらの中に倒れている“誰か”を指していたのだ。
「え…と…女…の子?」
「そうとしか見えないだろ…」
栄口の指す先には
俺たちと年齢が変わらないであろう
1人の少女が気絶したように倒れていた。
「し…死んでるわけじゃないよね…」
「たぶん…」
栄口は少女の口元に手を当て息をしているか確認する。
「どぉ…?」
「うん。息はしてるみたい」
俺と水谷は栄口の両側に座り
この少女の事を聞いてみる。
「ここに倒れてたのか?」
「うん。歩いてたら
急に草がなくなってるようなところが見えて…
変だなぁって思って近づいたら…」
「こいつが倒れていたって訳か…」
服装からして、こいつはここに住人だ。
たぶんあの塀の向こうにある町の
ってことは色々な事が聞けるんじゃないか?
色素の薄い…クリーム色っぽい髪に
ガラスかなんかで出来たピンクで花型の髪飾り。
髪の長さは…たぶん膝の辺りまである。
身長はよく分からないけど
そんなに大きくないと思う。
どっちかっていうと小柄なタイプ
強いて言うならしのーかぐらいか?
フードの付いたマントみたいなものを羽織ってる
中に着てる服はそれでよく見えないけど。
少女の周りには籠と果物的なものが散らばっていた。
「食料調達しに来たのかな…?」
「そうなんじゃね?」
「じゃあなんで倒れてるんだろう…」
少女の目は開く気配が全くしない。
この少女は俺たちの旅に、
何か影響を及ぼすのだろうか…?













(草原で見つけた不思議な少女)
(俺達はその少女の正体にまだ気付けないでいた。)


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