第一章 君と僕の、世界のハジマリ  君と僕の、世界の均衡

02.壊れた日常

部活のない生徒が
次々に登校し、自分たちの教室へ入って行く時間
俺たち野球部はやっと朝練を終えた。
「はい!じゃあ、今日はここまで!
HRには間に合うように教室に行くこと!」
「「「はい!」」」
モモカンがグラウンドを出て行く。
マネジはすでに
支度を終えてフェンスの向こう側。
今、ここには野球部員しか居ない…
「あっちーー!!
朝から汗びっしょりだぜー!!」
ベンチではなく、水道場の近くで服を脱ぐ。
「田島ァ!!そこで脱ぐな!!」
案の定ベンチから花井が飛んできて
田島を引きずっていく。
「あいつらもよくやるよな…」
「そだね…そろそろ田島もやめればいいのに」
栄口が苦笑を漏らしながら答える。
「無理だろ」
普段のアイツの行動から見て。
「なになにー?何の話ー?」
「水谷がクソレすぎるって話」
「えぇ!?ひどくない!?」
いきなり割って入ってきた水谷には言葉の洗礼。
半泣きで講義する水谷。
笑顔で仲裁する栄口。
いつもと同じはずなのに
何故かもう見られない気がして…
無意識に…瞼の裏に焼き付ける…
「泉、どうかした?」
栄口とは反対側に居た沖が俺の様子に気付く。
「え、何が?」
「いや、何か暗い顔してたよ?」
「気のせいだろ?」
沖は腑に落ちないという顔をしながら
それ以上は追求してこなかった。
「いずみー!着替え終わった?」
「おぉ!今行く!」
俺は着替えが終わってベンチから出てる
水谷と栄口のところへ走っていく。
「ねぇねぇ!今日9組数学ある?」
「あるけど」
「よかったねー水谷」
どーせ教科書貸してとかだろ…
「でさ、俺今日教科書忘れちゃったんだよね」
やっぱり…
俺はグラウンドのフェンスを開けながら言う。
「貸すのはいいけど今度は、」
俺の言葉が途切れる。
フェンスを潜った途端…

世界が

暗転した…




地面に付くはずの足はそのまま地面…
否、暗闇へと吸い込まれてゆく。
落ちている感覚はない…
なのに…落ちている。
感覚がおかしくなったのか?
足場はないから落ちているはずなのに…
というかなんで地面がないんだよ。
ここはどこだ…?
ダメだ…頭の中がぐちゃぐちゃだ…
段々と思考が霞んでくる。

その内何も考えられなくなり、

俺はそのまま、意識を手放した…














(暗闇で意識が薄れていく中)
(思い出したのは不覚にもアイツの顔だった…)


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