第一章 君と僕の世界のハジマリ  君と僕の、世界の均衡

01. いつもの風景

いつもの時間に起き、
いつもの時間に朝練に行き、
いつものように練習を終え、
いつものように授業を受け、
いつものように部活を終え、
いつものように家に帰る。

そんな当たり前の日々が
ずっと続いていくのだと思っていた。

“あの日”までは…




「ちわっ!」
グラウンドのフェンスを開け挨拶をする。
「あ、おはよ」
「おっす」
「はよ〜」
口々に返ってくる返事を受け流し、
俺はベンチへと急ぐ。
着替えを終えると、
前日の雨でぐちゃぐちゃのグラウンドを慣らすのを手伝う。
「泉!水谷の方手伝ってやってくれ!」
「了解、キャプテーン…」
キャプテンとかいうな!とキレる花井を無視して
グラウンドのライト側にいる水谷の元に向かう。
「あ、泉ー!!おはよー!」
歩いてくる俺に気付いたのか
手に持っている雑巾を振りながら叫ぶ。
…あれ絶対に泥飛んでるだろ。
案の定近くに居た阿部にかかって怒られる水谷。
「うわーん!いずみぃ〜
阿部に怒られたぁ〜!!」
「自業自得だろ」
「うぅ…いずみもひどい…」
と泣きまねをしている水谷を避けて
栄口があまっていた雑巾を持ってくる。
「はい、これ泉の分」
「さんきゅー」
グラウンドの真ん中では
田島が雑巾を振り回してこけている。
それを見た花井が急いで走っていって田島を叱る。
そんな花井にびびる三橋。
2人の間に入り仲裁をし、
なおかつ三橋のフォローをする栄口。
それを見守りつつグラウンドを綺麗にする
巣山、西広、沖。
今だ騒いでいる水谷と阿部…
毎日繰り返されている朝練前の出来事。
こんだけ見てれば飽きそうだけど…
その内、監督が来て練習が始まって…
何ら変わりのないいつもの風景。
まさかこの僅か3時間後に
この風景が消え去るなんて、
この時の俺たちには知る由もなかったんだ…













(このバカみたいな日常がどれだけ大切だったか…)
(今なら痛いほど分かる)

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