私は毎日新聞をとっているが、夕刊に「この国はどこに行こうとしているのか」というシリーズがある。
今日は、作家の森本哲朗さんのインタビューが載っていました。
この記事の中には、ハッとさせられる森本さんの言葉が紹介されています。
「今ほど閉塞感に満ちた時代はない。子どもだったせいもあるが、戦前さえもまだ充実感があった。現代は物がたくさんあり、情報があふれかえって、無力感がうまれている。便利なのに決して豊かではない。何でもあるのに何か足りないという飢餓感を、みんなが持っていると思うのです。」
「日本は伝統を切り捨てる天才です。何でも新しいもの、海の向こうからくるものを取り入れて、伝統というものは古くさいという一言で切り捨ててきました。文明開化は成功したと言える。因習にとらわれてら社会は進歩しないですから。ただ、伝統を捨ててしまっては歴史の教訓が生きないんです。」
この国の行方をたずねると森本さんは次のよう言われたそうです。
「過ぎたるは及ばざるがごとし、という格言がありました。腹八分目なんていうのも。つまり抑制ですね。受け継がれてきた伝統や歴史という重みこそが、過剰を抑制してくれるのだと思います。」
最後に森本さんは、石川啄木の歌を紹介されていました。
なつかしき冬の朝かな。
湯を飲めば、湯気がやはらかに顔にかかり。
同じ夕刊に「動物園のゾウ はかない命」 という記事がありました。
http://s02.megalodon.jp/2008-1213-0117-48/mainichi.jp/select/wadai/news/20081212dde041040013000c.html
二学期制の学校に勤めていますが、4月始まりのまま、9月に学期が始まるアメリカ・ヨーロッパなどの二学期制を導入したことなど、まさにサルまねです。
日本の気候風土に合っていないこの二学期制の導入は、授業を増やすどころか、授業の環境を悪くしています。
また、「都会は今や人間の動物園だ。」というイギリスの動物学者・デズモンド・モリスの言葉は、悲しいほど、私の心に突き刺さりました。
政治的にも、経済的にも混乱しつつある日本という国、これからどこに行くのでしょうか?????????

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