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悪い星の下に生まれて

2013/4/9 | 投稿者: komori

ロックという音楽は元来、悪い星の下に生まれた、不幸で孤独な音楽なんだと思う。ロックは歴史の否定と断絶を誇張しながらも、歴史と地続きであるという矛盾を自らの内に内包し、また過去の継承であるようでいながら誤読でもあるような、曖昧な変化の過程を辿り今日まで至って来た。その折衷性、雑種性は、吸収と言えば聞こえがよいが、言うなれば搾取のようですらある。反戦のシンボルのように振舞いながら、自らが戦争を起こしていた。その時ロックは自分がやっていることの意味に気付いてもいなかった。受け皿の寛大さか、節操のなさか。とにかく、ロックは止まれなかった。自らが何かと問い正されればうまく答えられぬ歯がゆさ、居心地の悪さを胸に秘めたロック。「I hate Pink Floyd」と書かれたTシャツを着ていたジョニー・ロットン。だが、今となればピストルズもフロイドも、細分化されたジャンルはどうであれ、紛れもなく両者が「ロック」音楽ということを、我々は知っている。パンクロックとプログレッシブロック、どちらが本当のロック?なんていうのは机上の空論、なぜならその正解をロック自身が知らないのだから。自分が誰なのかすら分からない、無名の、孤独な旅人。説明や解説の隙間を、ゆらゆらと根無し草のように彷徨っている、不幸な亡霊のような音楽。きっと悪い星の下に生まれたんだろう、ロックという音楽は。

だけど、そういう部分がたまらなく愛くるしかったりするのがまたいけない。だから、どうかこのまま、完成も完遂もされ得ぬものであって欲しい。誰がどうお前をことばで覆い尽くそうと。

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