壊れかけのテープレコーダーズ Official Web Site
http://kowarekake.com/

小森清貴 solo Album『カトレア』発売中 詳細

小森清貴 Twitter @kiyotakakomori
連絡先 kiyotakakomoriofficial@gmail.com

フジロックに行ってきました

2011/8/4 | 投稿者: komori

ようやく苗場ボケから回復し、忘れぬ内に書き記します。

以下他にも沢山観たんですが、良かったアクトだけ書きます。良くなかったものを良くなかったと批判するほどフジロックそのものが良くなかったことはないから良かったものだけ書きます。

1日目

・NATSUMEN(ORANGE)
往年の名曲群を惜しみなく披露。初っ端からテンション激上がる。
A×S×Eさんのギター、終始フェイザーか何かかかって揺れていた。やっぱり時代はフェイザーだ、と思った。

・ソウル・フラワー・ユニオン(WHITE)
皆、中川さんのうたを待ってたんだと思った。寛大なる父性の胸元に飛び込んでいくような、安堵感。最後オーディエンスの「うたは自由を目指す」の大合唱が鳴り止まぬのは圧巻。

・LEE SCRATCH PERRY with MAD PROFESSOR(WHITE)まず佇まいからして反則である。音を発せずとも、存在そのものが音楽を放ち続けている。はじめて生で観たリー・ペリーは神の領域の神々しさと、そして何よりそんな尊大さをも感じさせぬキュートさとキャッチーだがあった。やってることはカラオケだった。

・uhnellys(AVALON)
アークティっクモンキーズに正直飽きて、夜のAVALONへ向かい、正解だった。観る者ひとりひとりに語りかけ、問いかけるような、優しさと、厳かさ。どんなにキャパシティ的な規模が拡大しようとも、この気持ちを忘れたら何も伝わりはしないと思う。素晴らしいライヴだった。個人的にこの日のベストアクト。

・BIG AUDIO DYNAMAITE(WHITE)
正直然程期待していなかったが、最高のステージだった。ミック・ジョーンズ、歌も演奏も大して上手くない、というか寧ろ危ういくらいだが、何より楽しそうにやっているのがいい。音楽を楽しむ。これ、一番大切なことなんだと思う。曲はどれも気の抜けたニューウェイヴファンクという感じだったが、その絶妙に力の抜けた間抜けな感じも良い。固すぎる音楽は、ポップじゃない。

2日目

・あらかじめ決められた恋人たちへ(HEAVEN)
やはり共演経験のある身近なバンドが(最早身近とは言えぬが…)、フジの大きなステージに立っているというだけで、感極まるものがあった。同様の想いか、フロアには東京のバンドマン軍団が多数集結。そう、あら恋はいつだって僕等の憧れ。演奏も力強かった。

・アトミック・カフェ加藤登紀子(AVALON)
3日目のオレンジ本公演は観れなかった。AVALONでは原発にまつわる話と、歌。我が子に語りかけるかのような加藤さんは、全ての聴衆の母のようであった。涙が出た。

・OBRINT PAS(ORANGE)
ほぼ予備知識皆無、スケジュールにも組んでおらず偶々通りがかりに観たスペインのスカバンド。時間的にも半分程しか観れてないが、素晴らしかった、これがまた。彼等もまた、自身が誰よりフジロックを楽しんでる姿が良い。オレンジはこういった日本での知名度がそんなにない英米外のバンドが沢山出るが、必ず盛り上がる。理想的な音楽の在り方だと思う。

・TODD RUNDGREN(HEAVEN)
個人的に今年の3日間のベストアクト。ヒット曲満載の、正に夢のようなステージ。生のトッドの声は、CDで聴くよりなんかよりずっと太く伸びやかで、ソウルフルだった。バンドの演奏も完璧。珠玉のメロディーの連続に胸が高鳴る。最後から2曲目かな、「I saw the lights」のイントロが鳴った瞬間、フェスティバルという祝祭の光が垣間見えた。この光の袂で、僕等の全ては今肯定されているのだ、と。

・ワッツーシゾンビ(苗場食堂)
そしてトッドの感動から間髪入れず、再びベストアクトのひとつ。ぬかるみの地面の中、モッシュ&ダイヴの嵐!苗場食堂がライヴハウス状態に。挙句の果てには全裸でダイヴする客まで現れ、その模様は傍から見なくともカオスそのもであっただろう。2005年のルーキーで初めてワッツーシを観た日から調度6年、彼等はあの時と何ら変わらぬレヴォリューション精神で、苗場食堂に立っていた。またひとつフジロックに、伝説が刻まれた、そんなライヴだったと思う。

・股下89(ROOKIE A GO-GO)
股下は、どこでやっても股下だった。フジロックという大舞台に舞い上がることも一切なく、黙々と、淡々と、いつも通りの股下89。大勢の客目に囚われることもなく、MCも一切なし。ここまでストイックなルーキーがかつて存在しただろうか。いつグリーンやホワイトステージに立ってもおかしくない、そんなライヴ。こんな凄いバンドが活動を止めてしまうのは、日本のインディーズシーンにとって大きな喪失である。えらちゃんが最後ベースぶん投げたのが、たまらなく格好良かった。

3日目

・トクマルシューゴ(WHITE)
これまた共演経験のある身近な方々が万人の前で…というのは本当に感慨深いものがある。彼等の高みに登りつめたいと、僭越ながら、ただただ憧れるが募る。トクマルさん、ギター上手いなー。そして岸田さん最後にタンバリンで客を煽った!

・SION(ORANGE)
トクマルさんを被ってたので後半しか観れなかったが、最高だった。私情を吐露しているようで、その誌は万人に通ずる弱さや儚さを歌っている。それは共感なんて生ぬるいものとはまた違う在り方。SIONのような人こそ、うたうたい、だと思う。

・ラキタ(AVALON)
股下同様、ラキタ君もまた、どこでやってもやっぱりラキタ君以外何ものでもない。寧ろ、彼の歌は、うたう主体、自分自身すらをも不在にしてしまうような、風景の一環にしてしまうような、透明さがある。不思議だ。

・eastern youth(WHITE)
イースタンも、ソウルフラワーと同じ感じ。寛大なる父性。吉野さんの歌は、肯定の歌。弱さを受け入れ、それに打ち勝つ強さを歌ってくれるからこそ、僕等の胸に響く。「夏の日の午後」、「青すぎる空」の盛り上がりも凄かったが、個人的には「荒野に針路を取れ」、「街はふるさと」、「素晴らしい世界」がハイライト!

・YMO(GREEN)
GREENを埋め尽くす凄まじい数の観客と高まる期待。しかし鳴らされた音は大方誰もが想像したあのYMOのピコピコサウンドとはかけ離れた、生演奏による、もはやジャンルで形容不能の斬新過ぎるサウンド。強いて言えば、ハウス前夜の人力ファンクバンドのようでもあったし、更に言えば、ポストロックとは多分こういう音のことを言うのではないかと思わせる。彼等は常に時代の先の先を行き過ぎている。神の領域である。最早日本の音楽シーンにおいて、音楽=YMOの3人のことだと言っても過言ではないような気がする。バトルスが古く聴こえた。そしてサポートの小山田圭吾のギターが凄まじ過ぎた。ベストアクト!と感嘆も出来ぬほど、ただその浮世離れした演奏に唖然とした。正直ショッキングだった。

・DARK STAR ORCHESTRA(HEAVEN)
デッドのカバーバンド。というよりデッドのライヴを現在に呼び起こさせるバンドとのこと。確かにそれもうなずける。ゆらゆらとレイドするグルーヴが心地よく、ギターはまるでガルシアそのもの。HEAVEN最終日の夜をサイケデリックに彩った。

・ヤーチャイカ(ROOKIE A GO-GO)
そして自分の中での今年のフジの大トリはヤーチャイカ。ベースのキクチ君、なんと2曲目でベース弦を切る!しかも指引きで!相当な緊張に伴う気合いが入ってたようだったが、そんなアクシデントありつつもライヴは素晴らしく、瑞々しい力強さがあった。ニシハラ君の垂れ下がった前髪から覗かせる眼差しは、時折狂気の片鱗を垣間見せる冷たさがあった。

フジロック2011総記

・とにかく雨天続き且つ寒い3日間。ビールを飲んでも直ぐおしっこになっていしまい、全く酔えない。

・テントとトイレの穴場を発見。

・ルーキーには股下やヤーチャイカ、また観客には多数のバンドマン軍団が来場していたが、正直誰がいつ次メインステージに出てもいいような気がする。ライヴハウスシーンのバンド達、全く見劣りせぬ実力があると思う。

・日本人バンドの目覚しい好アクトが続いた。2000年代以降は英米よりも、日本なのではないか、と思った。

・反原発の謳いながらロックをやるってのは、必ずそこに矛盾を孕む。それは911の報復時に反戦を謳いながらエレキギター弾くってのも同様に当時思った。ロック音楽、ポピュラー音楽の発展にはテクノロジーの進歩が不可避的に伴い、そもそもそういった音楽の発端は、土着や民族性というものとの断絶から生まれた。だから元来自然回帰だとかルーツ回帰だとかとロック音楽というのは、一致せぬものだと僕は思う。ただし進化や進歩の末に得た大衆性によって、その内部にはらむ矛盾や危険というものをより多くのマスに向けて発する機会を得ることが出来た、というのも紛れもない事実だと思う。忘れてはならないのは、僕等はそういった矛盾の上で生き、音楽をやっているということ。一方的な理論ではなく、多角的なものの見方を持たなければならないし、敵は常に外部ではなく、内部に共存するものだということ。そういう意味でも今年の真のベストアクトは、YMOなのかもしれない。テクノロジーのあり方と、人間、のあり方。音楽と、僕等の未来。



以上。今年も例年のことながら大変楽しい3日間でした。

そして、写真が一枚もない・・・

そう想い出はいつでも僕等の心の中に…
0



コメントを書く

この記事にはコメントを投稿できません





AutoPage最新お知らせ