
僕は80年代以降の歌謡曲には疎いのですけど、当時この曲をチラッと聴いて「こんな歌詞の内容のヒット曲なんて珍しいんじゃなかろうか?!」とビックリしました。
「爺さんさん爺さん爺さん、ひとりきり」なんていう歌詞だったからです。
アイドルがこんな風に孤独な老人の事を歌うなんて珍しいなあと非常に不思議に思い、バンド仲間などに「なんであの曲は爺さんが1人きりなんていう内容にしたんだろうなあ?」と聞いたのですが、元々歌謡曲などに興味のない奴らなので「知らねえなあ」と言われました。
近所の子供達も「じいさんさんじいさんじいさん〜ひとりき〜り〜」と歌っていて、変わった曲が流行るもんだなあと思っていました。
ちゃんと聴いたことはありませんでしたが、この曲は好きな女の子に"オレは爺ちゃんの面倒を見なければいけないんだ。だからオレはお前とつきあえないのさ"と硬派に歌いあげているんだろうな、と解釈していました。「カッコイイなあ、男らしい歌詞だなあ、アイドルに"爺さん"だなんて、さすが松本隆だな。やるなあ」と感心しました。
それから長い長い年月が経ち、テレビで偶然にこの曲の映像を見る機会がありました。その頃には画面の下に歌詞が表示されるのが当たり前になっていましたが、「爺さん爺さん、ひとりきり」の部分で、何と「ZIG-ZAG-ZAG ZIG-ZAG ZIG-ZAG、ひとりきり」という歌詞が現れたのです。
いや〜もうビックリしました。硬派な孫が、ひとりきりのお爺さんの面倒を見る歌だとばかり思っていたのです。お爺さんにお粥を食べさせたり、オムツを替えたりするために恋愛を振り切るというイメージを持っていました。
でも考えてみればそりゃそうですよねえ、爺さん爺さんひとりきり〜なんてアイドルが歌わないですよねえ。まさか「ジグザグ」だったとはなあ。
でも近所の子供達は、ハッキリと「爺さん爺さん」と歌っていました。これは間近で聞いたので間違いないです。あれは僕のように間違って憶えていたのかなあ。検索してみたら「爺さん爺さん」にする替え歌があったらしいですが。
そしてやっぱりこの曲は「爺さん爺さんひとりきり」という歌詞で"恋愛よりも爺ちゃんの面倒を見る方がオレにはいいのさ"という内容の方がカッコイイんじゃないかと勝手に思うのです。