
「パンをふんだ娘」には「パンをふんだむすめ〜地獄に〜墜ちた〜」というテーマソングがあまりにもインパクトがありすぎるので隠れがちですが、後編でもう1曲挿入歌があります。
それが「ぬま女」が歌っている曲です。ぬま女というのは、深い沼の底に住んでいて、悪魔や魔法使いのために朝から晩まで毒を煮ている女です。
曲名はわかりませんが、このぬま女が歌っている曲が大変素晴らしいです。
♪あたしは ぬま女〜
♪朝から晩まで〜
♪グツグツグツグツ〜
♪毒を煮る〜 毒を煮る〜
♪毒を煮るのが商売さ〜
という歌詞で、マイナーキーのおどろおどろしい曲です。曲調は、何というんですかねえ、ジャジーと言っていいのでしょうか。妙にスウィングしているんですよ。そこに「♪あ〜たしは ぬま女〜♪」という地獄のような歌声が乗ります。
テーマソングの「パンをふんだ娘」よりも演奏者が多く、バックはドラム、ピアノ、ベース、マリンバ、フルート、ファズギター、ハモンドオルガン、ミュートトランペットの8人編成です。シンコペーションを利かせ半音でぶつけたマリンバとピアノのリフがカッコイイ!
このヴォーカルが実に素晴らしい!まるで幽霊のような、本当に呪いがかかってしまいそうな歌声なのです。歌っているのは坂本和子さんという、ぬま女を演じている声優さんです。完全にぬま女になりきって歌っています。これがもう大変良いです。
この曲がなくても物語には特に支障はありません。ナレーションだけでも事足ります。しかしこの「♪ド〜ク〜を煮る〜〜」というおどろおどろしいぬま女の歌が流れる事で、沼の底の救いようのない雰囲気が強調され、より不気味さが出ています。わざわざぬま女の歌を作ったのは大正解です。
こういう風にキャラクターになりきって歌われた曲というのは非常に魅力的です。ぬま女の歌は、レインボーマンの「死ね死ね団のテーマ」に匹敵する名曲なんじゃないかと思います。
ワンコーラスしかない短い曲ですが、録画した方はぜひ「ぬま女」の歌を聴き返してみて下さい。♪あ〜たしは ぬま女〜♪
※ 以前書いた「パンをふんだ娘」の記事は下記をクリックして下さい。
「
あのトラウマ童話"パンをふんだ娘"が再放送されます」
「
パンをふんだ娘(1)」
「
パンをふんだ娘(2)」