時間を見つけてはあちこちに大道芸を見に行っておりますが、昨日は横浜ランドマークタワー周辺で行われた「横浜大道芸」を見てきました。
1回のステージの割り当て時間が約30分というので、数はあまり見られませんでしたが、その分じっくりとステージを楽しむ事ができました。
まずは、津軽三味線パフォーマンスユニット「セ三味ストリート」を見ました。2人組で津軽三味線を演奏するのですけど、「肉体派津軽三味線大道芸」というのが売りだけあって、見応えのある素晴らしいショーでした。
三味線には、アウトプットのジャックが付いていて、DI(ダイレクトボックス)に直結してあり、そこからPAのミキサーへ送られていました。
ピックアップが付いた、いわばエレキ三味線なのでしょうけど、エレアコにありがちなピエゾっぽい音色ではなく、ナチュラルな音色で、とても迫力がある音が聴けました。
演奏もしっかりした素晴らしいものでしたが、「肉体派津軽三味線」というだけあって、包丁の刃で三味線を弾くわ、キューピーちゃんの人形で弾くわ、観客が差し出した物で弾くわ、1本の三味線を二人羽織で速いフレーズを弾くわ、年齢層の高い観客のために三味線でベンチャーズを演奏するわで、ドッカンドッカンと大受けしておりました。

包丁の刃で

なんとキューピーちゃんで

二人羽織で速弾き
包丁の刃でも、キューピーちゃんでも、しっかりした津軽三味線の演奏をしてしまうのがこのグループのスゴイところです。
お喋りも構成も素晴らしく、面白おかしく三味線のバチについて説明したり、三味線の拍手のしどころを楽しく説明したりと、誰にでもわかるように笑わせながら三味線などについてのお話をしていた事にも感心しましたし、その結果、演奏中に何度も大きな手拍子や拍手が起こり、非常に盛り上がっていました。
MCを兼ねていた人が「社会の窓」を全開にしながら熱演していましたが、途中で気が付いて、それもネタにしてまた笑いを取っていました。
肉体派らしく、肩車をして三味線を弾いたりと見所も多かったのですけど、最後には2人でビシッと本格的な演奏を決め、ステージが始まる前の説明からエンディングまで、その洗練された構成や盛り上げ方など、場数を踏んだ人だからこその完成度でした。
公式サイトも面白いので興味のある方はどうぞ(
こちら)。
続いて、パフォーマーくりちゃん(栗原一さん)の生徒さんのショーを見に行きました。

去年のくりちゃんのショーの模様
僕が初めてくりちゃんのショーを見たのはちょうど1年前で、その楽しいステージや見事な一輪車の芸を見てくりちゃんのファンになり、10月にも大道芸のフェスティバルに出演なさるというので、またそれも見に行ったりして、お話するようになりました。
くりちゃんはパントマイム教室の先生でもあり、昨日は「パフォーマーくりちゃん」としての出演はありませんでしたが、生徒さんが出演するというので見に行ったのです。昨日は「付き人くりちゃん」として参加しておりました。

くりちゃんの生徒さん
場所は駅前の一等地。カラフルな衣装で、生徒さんたちが次々とパントマイムのパフォーマンスをしていました。
パントマイムは基本的に喋らないので、ひとりひとりのパントマイムのテーマをホワイトボードに書いていたのも、わかりやすくて良い演出でした。
特に「かばん」のマイムをした長身の男性が凄くて、僕の周りの人たちが「すご〜い!」「本当に動かないみたい!」と歓声を上げていました。
「かばん」というマイムは、かばんが空中で動かなくなったり、突然重くなったりして持ち上げられなくなったりというのを表現するマイムなのですけど、この生徒さんがやると、本当にかばんが動かなくなったり、持ち上げられなくなったりしたようにしか見えませんでした。いや、あれは本当にかばんが動かなくなっちゃったのではないでしょうか?この日は3つほどかばんのマイムを見たのですけど、このかばんが1番素晴らしかったです。
ステージ終了後に、くりちゃんが僕を見つけて来て下さったので、特にかばんのマイムが凄かったですと感想を言うと、彼は生徒ではあるけれど、ちゃんとパフォーマーのライセンスも持っていて、単独でもパフォーマーとして活躍しているんです、と教えてくれました。
くりちゃんの公式サイトは
こちらです。
その後、やはり去年見に行ったチャップリン芸のたび彦さんと、バランス芸のカム有田さんのユニットによる「チョコ摩訶サーカス」を見に行きました。
昨日の朝7時35分頃、NHK総合テレビを見ていたら、突然たび彦さんが画面に映ってビックリいたしました。横浜大道芸のニュースを取材したものでしたが、アップを含め、たび彦さんがたくさん映っていたのです。映像の最後には、カム有田さんとの2人のショーの模様も映っていました。
元々は10数年前にテレビでたび彦さんの芸を見た事があり、去年やっと生でショーを見られたのですけど、今回もご出演なさるというので楽しみにしておりました。
テレビや去年のショーではやらなかった、水や金魚を使ったマジックが見られたのが嬉しかったです。
カム有田さんとのショーも素晴らしいものでした。最後は大技の大ジャンプを一発で決めました。
ステージ終了後に、たび彦さんとお話したら、去年僕が見に行った事を憶えていて下さいました。
ブログに写真を載せる許可をいただき「今朝のNHKのテレビにたび彦さんが映っていましたよ」というお話をしたところ、たび彦さんはご存じなかったようで、「チョコ摩訶の他に誰が映っていましたか?」と聞かれましたので「いえ、映ったのはチョコ摩訶だけでした」とお教えすると「テレビで紹介されたなんて全然知りませんでした」と、とても驚いていました。
その場でそのままブラジルから来たアクロバット自転車のJames(ジェームス)さんの芸を見る事にしました。何度かBMXのブラジルチャンピオンにもなっているそうです。
これがまたスゴイ。メインは自転車のアクロバットですが、バルーンも、ディアボロも、クラブも、ちょっとしたパントマイムも入れつつ、本当に芸が大好きでしょうがないという幸せ一杯の笑顔でアクロバットをこなして行くのです。
笑いと驚きと感動の連続の、素晴らしいショーで感激いたしました。
僕が再び心から感動したのは、ショーが終わった後に、ステージの近くの邪魔にならない場所で、ジェームスさんが小さなかばんに座り、ハードなステージを終えた事により次から次へとあふれ出る汗を拭いていたのですけど、休んでいるジェームスさんを見つけた小さな子たちが周りに集まって来た時の事です。
その子たちに、ジェームスさんは片言の日本語で「イヌ?剣?お花?」などと話しかけ、汗びっしょりのままリクエストに応じ、ポケットからバルーンを出して、色々な物を作ってプレゼントしていたのです。
そのうち剣を作ってもらった1人の子が、それでジェームスさんの頭をポンポン叩いたりしても、ジェームスさんは怒るどころかニコニコしていたのですけど、勢い余ってその子がジェームスさんが作った剣を割ってしまいました。
呆然とする子を見て、すぐにジェームスさんはニコニコしながら「ダイジョーブ、ダイジョーブ」と言って、汗だくのまま、またポケットからバルーンを出し、プーッとふくらまして新たに剣を作り、笑顔で男の子に「ハイ!」と渡したのです。
僕はジェームスさんのすぐ隣りでその光景を見ていたのですけど、もう言葉に出来ぬほど感動いたしました。これは素晴らしい事です。パフォーマーの神髄を見た気がします。
次に、コミックマイムのヘルシー松田さんを見に行きました。ヘルシー松田さんは、今から20数年前でしょうか、中村ゆうじさんと2人でテレビでパントマイムのショーをしているのを見た事がありまして、僕は10年ぐらい前に三軒茶屋で開催された大道芸フェスティバルにヘルシー松田さんが出演なさるのを知って、見に行った事があります。
その時は2度ほど見たのですけど、久しぶりに生のショーが見られるので楽しみにしておりました。
小さな子にも理解できる内容ですので、集まった観客はもう大喜びです。小さな子用に作ったという「ちょうちょ」という美しい作品の後、「想像力を駆使しないとわからないマイムをやります」と、少々難しい内容のマイムも披露してくれましたが、それも実に素晴らしい内容でした。
ヘルシー松田さんを見終わると、そろそろイベントの終了時間も近いという事で、近くの場所で三雲いおりさんのお笑いジャグリングを見る事にしました。
これがまた大爆笑。お喋りだけでも観客にドッカンドッカン受けています。背の高い一輪車に乗ろうと集中していると、小さな子たちから「はやく〜!」「早く乗って〜!」と野次られながら「わかったわかった!あのね〜、大人になると早いのは必ずしもいい事ばかりじゃないんだよ!」と言いながら、ショーを進めていました。
帰宅してから公式サイトを見てみたら、俳優としての活動や、昔はお笑いもしていたそうで、それで喋りだけでも面白かったのかと納得しました(公式サイトは
こちら)。
ショーを見ていると、まるで少年のように見えるのですけど、なんと僕よりも年上だそうで、驚いてしましました。
帰るために電車に乗ろうと、地下街を歩いていたら、なんとおなじみの顔がありました。
たび彦さんの巨大なポスターが、駅に貼ってあったのです。
1メートル以上ある大きなポスターですが、さすがにきっとこちらはたび彦さんもご存じなのではないかと思います(ご存じなかったりして…?)。
というわけで、ゴールデンウィーク周辺は、あちこちで大道芸のフェスティバルが開催されますので、僕もまた見に行きたいと思っております。
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