
昨日、NHKで放映された「赤塚不二夫なのだ!!」を見ました。僕の大尊敬する日本が世界に誇る大天才、赤塚不二夫大先生を特集した番組でした。
「おそ松くん」や「天才バカボン」などの分析やキャラクターの紹介、バカボンの話の紹介、娘さんのお話など、多岐に渡る内容で、1時間20分の全部が赤塚先生に関する内容という、素晴らしいものでしたが、やはり時間内で全てを紹介するのは無理で、例えば「おそ松くん」でも初期の六つ子が活躍する内容を「おそ松くん」として取り上げられておりました。
本当は「おそ松くん」は、六つ子が中心のギャグの初期、まるで映画のように毎回シチュエーションが変わる中期、「おそ松くん」とは名ばかりで六つ子がほとんど登場せず、イヤミが強烈なギャグを繰り出す後期に分類されまして、僕が大きく影響を受けたのは中期と後期なのですけど、その辺までの紹介がされなかった事が、少々残念に思います。
僕が小学生の頃に衝撃を受けた、驚愕のウンコマンガ「ウンコールワット」や、悪い事をするのが良いとされる世界を描いた「ワルワルワールド」の紹介も見送られたようです(「ワルワルワールド」のコミックスはチラッと映っていました)。この辺はテレビですから仕方ないかもしれません。
過激な内容の「レッツラ・ゴン」が紹介されていて嬉しかったのですけれど、なんと「一部のファンには熱狂的に支持されましたが、しかしその強烈すぎる作風は、一般には評価されませんでした」というナレーションが入り、ビックリしてしまいました。僕は一部のファンだったようです。
しりあがり寿さんが「レッツラ・ゴン」の1コマ目でいきなり「たいくつだなあ」「じゃ死ねばいいのベラマッチャ!!」というやり取りがあるというのをゲラゲラ笑いながら紹介していたのが印象的でした。みうらじゅんさんも、そのコマに対して「いいねえ〜」と評価をしておりました。さすがです。
このマンガ家同士の対談コーナーに出演していた、みうらじゅんさん、しりあがり寿さん、喜国雅彦さん3名全員の幼少時代の「シェー!」の写真が残っていた事にも、大変感動いたしました。マンガ家である皆さんの、小さい頃の「シェー!」の写真が紛失されずに現在まできちんと残っていて紹介されたというのは素晴らしいです。
ちなみに僕の幼少時代のシェー!写真も残っております。

↑シェー!
ところで僕は「天才バカボン」を、当時リアルタイムで読んでいたのですけど、その中でも「実物大マンガ」の回を読んだ時の事は強烈に憶えております。少年マガジンを開いたら、見開き2ページがバカボンパパの顔だけ、次の見開き2ページがバカボンの顔だけ、という内容は、正に衝撃的でした。この番組でももちろん取り上げられておりましたが、その当時の衝撃は、現在の小さなコミックスの版ではなかなか体感するのが難しいと思います。
コメントを寄せていた方々の顔ぶれも興味深かったのですけど、特に嬉しかったのが「トイレット博士」の作者である、とりいかずよし先生です。このブログにも何度か書きましたが、僕が生まれて初めて買ったコミックスが「トイレット博士」の第1巻でありまして、少年時代に多大な影響を受け、僕もウンコマンガを描くようになったのです。お元気そうでなによりです。
それから「天才バカボン」で「クツシタくさい」と言い続けられたイガラシ記者も出演しておりました。もちろん「少年マガジン元編集者」と紹介されておりましたが「天才バカボン」の愛読者は全員「あ!クツシタくさいイガラシ記者だ!」と思ったことでしょう。バカボンのファンにとっては「イガラシ記者=クツシタくさい」なのです。
赤塚先生は病に倒れ、未だ意識もなく眠り続けているのですけど、番組の最後の方で「意識を失う直前に言ったひとこと」があるそうで、何と言ったのかと問われ、それぞれ出演者が「これでいいのだ」「ニャロメ!」「レレレのレ」などと答えておりましたが、正解は「あっ、オッパイだ!!」でした。
病室で赤塚先生の手を握り「先生、しっかりして下さい」と声をかけた女性スタッフの胸元が手に当たった時、赤塚先生は「あっ、オッパイだ!!」と言ってから、意識が遠のいたそうです。
なんと素晴らしい話でしょうか。大変感動いたしました。
本日の画像は、赤塚不二夫大先生著による「人生これでいいのだ!!」という本です(マンガではありません)。
内容はというと、色んな店で色んな連中と酒を飲み、色んなバカな事をやって本当に面白かったなあ、という本です。酒と女と仲間の話だけです。
その中に、チラッチラッと、人との付き合い方の見事さや、面倒見の良さが伺えます。今までの人生に悔いはないそうです。
これでいいのだ。
赤塚先生関係の文章です:
「
天才バカフォン?/携帯電話・天才バカボンモデル発売」
「
赤塚不二夫・鬼の面2008/でん六」
「
赤塚不二夫・鬼の面2007/でん六」
「
バカ田大学入学試験」
「
チビ太のおでんの具を検証してみる」
「
チビ太のおでん」
「
コケジャラホイチャカチンポコペン」
「
ウンコールワット/赤塚不二夫」
「
おそ松くん(16)/赤塚不二夫」
「
赤塚不二夫・鬼の面/でん六」
「
天才バカボン(1)/赤塚不二夫」
「
赤塚不二夫のことを書いたのだ!!/武居俊樹」
「
チビ太/赤塚不二夫(パワァコミックス)」
「
おじさんはパースーマン/赤塚不二夫」