気分が沈んだり憂うつな気持ちになったりする「抑うつ状態」と不眠が重なると、ほぼ4人に1人が自殺願望を抱く-。こんな調査結果を久留米大の内村直尚助教授(精神医学)がまとめ、16日発表した。
「不眠が続くと抑うつを招く。最近、日本人の自殺が増えた背景には睡眠不足もあるとみられ、不眠の治療が重要だ」と内村助教授は指摘している。
昨年12月、首都圏に住む35-59歳の勤労者約9000人を対象に、インターネットでアンケートを実施。男女合わせて約6000人から有効回答を得た。
このうち不眠で悩んだ経験がある人は28%の1668人、抑うつ状態がある人は5%の285人いた。
不眠と抑うつの両方を訴える人は206人おり、その26%が自殺を考えた経験を持っていた。一方、抑うつでも不眠がない場合は16%で、両者が重なると自殺の危険が高まることが分かった。
不眠や抑うつが起きる頻度は、平日の睡眠時間が7、8時間台のときに最も低く、それ以上でもそれ以下でも高まる傾向がみられた。
また、交代勤務のある人の43%が不眠を、15%が抑うつを訴えたのに対し、交代勤務がない人ではそれぞれ27%と4%にとどまり、昼夜の逆転を伴うような勤務の悪影響が浮き彫りになった。
記事:共同通信社

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