2005年度にうつ病などの精神性疾患で休職した公立小中高の教職員の数は前年度比619人増え、過去最多の4178人に上ったことが15日、文部科学省の調査で分かった。
10年間で約3倍に急増しており、文科省は「多忙や保護者、同僚との人間関係など、職場の環境が年々厳しくなっていることが背景と考えられる」としている。
同省は今後、悩みを相談しやすい学校環境づくりや、専門医らによるカウンセリング態勢の強化などの対策を促す方針。
調査結果によると、病気による休職者は前年比709人増の7017人。このうち精神性疾患による休職者は13年連続増で、前年度より17%増えた。病気休職者全体に対する割合も、1996年度の37%から60%に増大した。
「いい先生でありたいと必死に走り続けても、いったん病気になれば誰も助けてくれない」。うつ病と診断され、徳島市の小学校を3年前から休職中の坪井啓明さん(43)はこう指摘する。坪井さんは不登校の子どもの家を日に何度も訪問するなど多忙を極めながらも大きなやりがいを実感していた。だが、いつしか目まいや呼吸の乱れに苦しむようになり、授業中に何度も意識を失った。
病気休職者の6割を占めるほど深刻化した教員の精神性疾患。文部科学省は相談態勢の強化などで対応する方針だが「抜本的な解決は困難で、各教委の地道な取り組みに頼らざるを得ない」と対策に頭を痛めている。
記事:共同通信社

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