15日午前2時10分ごろ、東京都板橋区の精神科病院「成増厚生病院」南病棟2階の個室から出火、室内6平方メートルを焼いた。別の個室に入院していた女性(52)が煙を吸うなどして死亡。別の個室の男性(53)と女性(57)が意識不明の重体となり、ほかに4人が重軽傷を負った。
警視庁高島平署は、自室のベッドにライターで火を付けたとして放火の疑いで火元の部屋の男(50)を逮捕した。男は逃げて無事で「患者の1人が1日中、騒ぐのでイライラし、火を出せば困るだろうと思い火を付けた」と供述。約2年前から入院しているが、同署は供述内容などから刑事責任能力に問題はないと判断した。
調べや病院によると、個室は夜間施錠され、内側からは開けられない状態だった。病院側は、症状が重い患者は個室に入院し、精神保健福祉法などの規定に沿って施錠するとしている。
入室の際は、身体検査して危険物をチェックしていたが、男は「放火のためにナースステーションにあったライターを個室に持ち込んだ」と話しており、同署は管理体制について病院関係者から事情を聴いている。
東京消防庁によると、南病棟は鉄筋コンクリート4階建て。入院患者計219人が一時避難した。2階には患者51人がいた。出火当時、火災報知機が鳴り、職員がバケツの水を掛けたが消火できず119番した。
新貝院長は「再度このような事故を起こさぬよう、病院運営に細心の注意を払い、安全で安心できる治療環境を確保するよう努力します」とのコメントを発表した。
記事:共同通信社

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