「厚労省 発達障害児支援へ本腰。学校の要望で医師ら派遣、就労対策も拡充」
児童
厚生労働省は23日、自閉症や注意欠陥多動性障害(ADHD)などの発達障害がある児童、生徒らへの支援を拡充するため、2007年度予算の概算要求で本年度の4.4倍に相当する12億円の対策費を要求する方針を固めた。小中学校などから要望があれば医師ら専門家を派遣したり、卒業後の就労対策などを拡充する方針で、見過ごされがちだったこれらの障害のある子らへの支援に本腰を入れる。
専門家の派遣は、これまではモデル的に一部の学校などだけで実施してきた。07年度からは体系的な事業として、要望があった場合に発達障害への対処について専門的トレーニングを受けた医師や保健師などを派遣したい考え。小中学校のほか、卒業生らが通う障害者施設も対象となる。事業主体は地方自治体で一定額を国庫で負担する方針。
就労支援ではハローワークとも連携し、2億8000万円を要求する。
このほかインターネットに専門ホームページを開設し、普通学校の教員や保育所の保育士らのほか、保護者や一般の人へ発達障害についての知識の普及啓発を図る。開設は知識を分かりやすく体系的に整理する目的もある。
発達障害児らに対する支援をめぐっては04年12月、発達障害の子どもや親の支援を国と地方自治体に義務付けた発達障害者支援法が成立。都道府県と政令市に発達障害者支援センターを設置するなどして対策に当たってきた。
厚労省は今年6月、発達障害児の成長段階や成人してからの生活に応じて適切な支援ができるように、戸苅利和(とがり・としかず)事務次官を本部長とする「発達障害対策戦略推進本部」を設置。医療、保健、福祉、労働の各部局が連携して関連施策に取り組む体制整備づくりを進めている。
記事:共同通信社

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