昆虫館横竹林に増設設置したトレイルカメラ4号機、フクロウ巣箱の上にフクロウ類がとまっているところが写った

これはいったい誰なのか

この画像からわかることは・・・
無人自動撮影がとらえた画像の裏側に隠されたドラマ、答えを導き出すまでの驚きと新発見のストーリー
巣箱に乗るフクロウ画像から読み取れること
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序章)

アオバトを狩ったのは誰か
巣箱上や周辺にあったアオバトの羽根、羽軸に齧り痕があれば、ハクビシンやアライグマなど獣の可能性があるが、羽軸に齧り痕はなく、きれいだったことから野鳥が狩ったことがわかる。
獲物の大きさ等からオオタカかフクロウかと思われるが、オオタカは地上で獲物をさばくことが多く(樹上高い所でさばくこともあるが)、フクロウ巣箱ということでフクロウの可能性が大と考えたかった。(←願望

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第1章)

写っているのは誰
(1月19日4時6分 昆虫館横竹林にて撮影)
1月19日早朝に巣箱の上にフクロウ類がとまっているところが写った
(1月19日5時13分 昆虫館横竹林にて撮影)
写ったのは夜明け前の4時6分、4時20分、5時13分の3回
(↑矢印をクリック!1月16日4時6〜7分、4時20分、5時13分 昆虫館横竹林にて撮影)
画像が不鮮明な為、種の特定が難しい状態だった。
冬季に可能性があるフクロウ類は4種(フクロウ、オオコノハズク、コミミズク、トラフズク)
小さく感じられ、真っ先に疑ったのはオオコノハズク。憧れのオオコノハズクが越冬しているのか

とうとうカメラがその姿をとらえたのか

と喜んだが、仮にオオコノハズクだとすると、何のために巣箱に3度もやって来たのか

フクロウが狩ったアオバトの残骸のおこぼれをあさっている

オオコノハズクにそんな習性があるのか

冬季に餌不足で食糧難だとそんな行動も見られるのだろうか
そもそもあれは肉片の付いた残骸なのか

フクロウがアオバトサイズのものを狩った後、小分けにして貯蔵し分けて食べる習性があるのだろうか

そう言えばオオタカが自分より大きなカワウを狩った時、2〜3日に分けて食べているのを見たことがある。
とすると、オオコノハズクが自分より大きなアオバトを狩り小分けにして食べているのだろうか
あれこれと考えを巡らすが、翌日巣箱のサイズを計って答えを出すことにした。
明日の朝、計ったら全てが解決すると思うとワクワクした
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第2章)

巣箱の計測、ところが・・・
(1月20日10時12分 昆虫館横竹林にて撮影)
巣箱の底面から入口までのサイズは40cm。そこから割り出すと写ったフクロウ類の全長32.7cm、翼開長70.5cm。図鑑によるとオオコノハズクは全長23.5〜26cm、翼開長54〜60cm。フクロウは全長48cm、翼開長94〜102cm。
当該個体は一見、オオコノハズクかとぬか喜びしてしまったが、少し大きいことが引っ掛かり、再度検証を重ねた結果、画像は斜めに写っていて、実物より小さく写っていることを考慮しフクロウと判定した。全長:翼開長のアスペクト比からトラフズク、コミミズクは除外した。
とすると、フクロウが16日に狩ったアオバトの残骸を3日も経った後に3度もあさっていたのか

という新たな疑問が生まれた。フクロウにそんな習性があるのか
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第3章)

キジバトを狩っていた
毎日撮影していた巣箱の上の写真を見直していて気付いた
(1月19日11時31分 昆虫館横竹林にて撮影)
1月16日にはアオバトの羽根と残骸、1月17日は変わらずだったのが、1月19日には巣箱の上に乗っていたのはキジバトの羽根だった

アオバトの残骸は無くなっていた。
ということは・・・1月19日未明にトレイルカメラに写っていたのはフクロウがキジバトを狩ってさばいていた場面だったのだ
残骸だと思っていたものはペリットではないだろうか

キジバトを狩った時にペリットは下に落とされていったのではないだろうか
(1月16日11時30分 昆虫館横竹林にて撮影)
アオバトを狩った日の巣箱に比べて
(1月20日10時1分 昆虫館横竹林にて撮影)
キジバトを狩った日の巣箱周辺(横面、背面)にまとわりついている羽根が増えている
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終章)

大きな1歩前進
フクロウが巣箱をテーブル代わりにして獲物をさばく場所として使ってくれたとわかり、この巣箱が気に入ってくれたのだとしたら、大きな1歩前進と考えられるのでは

巣箱周辺に羽根がまとわりつくのが巣箱上で獲物をさばいた証拠ということだ
それにしても、すごいものが撮れた録れたものです

フクロウがトレイルカメラに写ったのは初めてで快挙です



まず普通はトレイルカメラを仕掛けたくても許可がおりないです。許可をとるところが難しいのです。
それは実績

皆さんの協力があってこそのチームKの実績を伊丹市や伊丹市昆虫館、兵庫県に報告しているからこそです

ありがとうございます
尚、その後フクロウは1月21日にもオオタカカメラマンさんのひとりが飛び出したところをオニバス池にてばっちり撮影されていることから、未だ滞在中。カラスに追われたわけでもないのに突然昆虫館ドーム前を左から右へ飛び出し東通りに入っていったとのこと。
画像1、2枚目、動画は
昆虫館横竹林にてトレイルカメラ4号機撮影
画像3〜6枚目は
Canon EOS 7D Mark II EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM

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