■猫エイズ(猫免疫不全ウイルス感染症)FIVとは
人間のエイズに似た病状になることからこの名称がつきましたが、人間のHIVとは別のウィルスです。
人間をはじめ猫以外の動物には感染しません。
猫同士も血の交じり合うような咬み傷などからの感染の可能性は高いものの、感染猫とのグルーミングやトイレの共有などでは、感染しにくい>ようです。
また感染した猫は全部がエイズになるわけでもなく、
キャリアーのまま一生をまっとうすることもあります。
(※2008年8月、猫エイズのワクチンが発売されました。詳しくは下記より。)
■感染してしまったら?
FIV自体の感染をなくす治療はないため、表れている症状に対してそれぞれ治療を行います。
他の猫への感染を防ぐため外には出さないようにし、
ストレスのかからない穏やかな生活を送らせましょう。
■感染はどうやって調べる?
動物病院の血液検査で行えます。
■感染しないために
感染猫との接触を断つことが一番の予防です。
もし感染猫と同居するような場合は縄張り争いの喧嘩などが起こらないよう十分注意が必要です。
■詳しい症状
@急性期
感染後2週目以降から通常は1〜2ヵ月間、長いものでは1年程度軽い症状(発熱、リンパ節の腫れ、下痢などで、血液検査では白血球数の上下)が続きます。
A無症状キャリアー
急性期の変化が見られた後に症状が全くなくなります。
この期間は平均で2〜4年位と思われますが、
4〜5年経過しても発症しない猫もいます。
B持続性全身性リンパ節腫大(PGL)
無症状期から発症期に向かう過程で、
全身のリンパ節が腫れてくる時期です。
CAIDS関連症候群(ARC)
発症期。
リンパ節の腫れ、発熱、体重減少、慢性口内炎、慢性上部気道疾患、慢性化膿性皮膚疾患などがみられます。
この時期は通常は1年程度で、その後、多くの猫は後天性免疫不全症候群(AIDS)を発症しますが、
長期間生存する猫もいます。
D後天性免疫不全症候群(AIDS)
さらに病気が進行してそのまま移行します。
激しい体重減少に加え細胞性免疫不全を思わせる日和見感染(免疫不全の個体で激しい病気を起こすもの)、腫瘍がみられます。
リンパ球数も激しく減少し、
免疫が機能できない状態になります。
■猫エイズのワクチンについてNEW!
2008年8月、今まで日本ではなかった猫エイズのワクチンが発売されました。
これは、混合ワクチンとは別に打たなければいけない単体ワクチンで、
初めての年には
3回接種し、次の年から1年に1回接種を行うというものです。
ただし、ワクチンを打って効果があるのは約
70%であるということや、
ワクチンを打つと
抗体価が陽性になってしまうため、猫を保護し検査をした際、
その猫が、『猫エイズに感染しているから陽性反応が出た』のか、
『以前にワクチンを打った猫だから陽性反応が出た』のかの判別がつきにくくなるという問題点もあります。
接種の際は、信頼できる獣医さんとよく相談の上、ご検討ください。
■猫白血病FeLVとは
「白血病ウイルスに感染している」ことと「白血病」は全く別物で、
感染しても治ってしまう(陰転する)猫もいれば、白血病とは全く別の病気を起こす猫もいます。
人間をはじめ猫以外の動物には感染しません。
感染猫の血中に感染力を持ったウイルスが存在し、猫同士の喧嘩による咬み傷やグルーミング、トイレの共有などを通じて
ウイルスが感染しやすいのですが、感染から回復する猫も多いようです。
感染予防に
ワクチンがあります。
■感染してしまったら?
FeLV自体の感染をなくす治療はないため、表れている症状に対してそれぞれ治療を行います。
他の猫への感染を防ぐため外には出さないようにし、
ストレスのかからない穏やかな生活を送らせましょう。
ごくまれに
ウイルスが陰転することもあるので、年に1回程度、
ウイルス検査を行うのがよいでしょう。
■感染はどうやって調べる?
動物病院の血液検査で行えます。
■感染しないために
最も効果的な予防法は、
感染猫との接触を断つことで、もし感染猫と同居するような場合は
ワクチンを使用します。
ただしFeLVワクチンには注射部位が腫れたり、痛みを伴ったり、あるいはまれに長時間かかって悪性腫瘍(肉腫)が起こるという
副作用もあります。
■詳しい症状
@急性期
感染後約2〜4週程度でウイルス検査が陽性になります。
この時期に急性期の病気がみられ、発熱や元気消失、リンパ節の腫れ、白血球減少症、血小板減少症、貧血などが発見されますが、感染を受けた猫の内10%〜30%はウイルスをはねつけ
感染自体が成立しないようです。
Aウイルス感染からの回復
成猫ではウイルスが排除されることがよくあり、感染から16週以内に
陰転します。
ウイルス感染からの回復がみられた猫は二度と
FeLVに感染することはありません。
B持続感染へ
感染から4ヵ月以上陽性が続く猫は、持続感染となります
持続感染になった猫は、ウイルスは陽性のままになりますが、急性期の病気は一旦おさまり、その後、数ヵ月から数年は、表面的には健康な状態が続きます。
C持続感染猫の発症
持続感染期には、がん(悪性腫瘍)、血液の病気、免疫の病気、他の感染症など、様々な病気(FeLV関連疾患)がみられ、多様な病気(リンパ腫・赤血病・重い貧血など)が起こります。
※記事内の病気についての記述は、書籍やインターネットのサイトで得た情報から書かせていただいております。
もし間違った内容などございましたら、ご指摘いただければ嬉しく思っております。