先日テレビで映画「フラガールズ」を見た。
方言やイントネーションの違和感など最初はチョット馬鹿にしながら観ていた。
でも観つづけているうちに、やられそうな気がしてきた。
何がやられそうかと言うと、時代背景だった。
私たち昭和の26年27年生まれはちょうど戦後からの復興時期に生まれ、朝鮮戦争の軍需景気に支えられ育って来た。小学校の同級生の幾人かは幸せを信じた親と共に北朝鮮に帰っていった。中学の同級生の幾人かは「集団」ではなく就職していった。そういう時代が蘇ってきて、私はやられそうになった。普及し始めたテレビでは三池炭鉱の落盤事故や夕張炭鉱の落盤事故の報道がけっこう頻繁に流れていた。映画を見に行けば大画面のニュース映画で同様の報道がなされ、学校の社会科の授業では中国やアメリカの炭鉱は露天掘りのため落盤事故は起きないと教わった。仙台駅の近くには(特に現在の東口、当時の駅裏)夜の女性が立ち進駐軍の米兵達と腕を組みぶら下がるようにして歩いていた。
表現が正しくないかも知れないが、当時は「口減らし」の時代。
子供が沢山いて、日々の食事も侭ならない農村部から都会への人口流出の時代。
ちゃんとした仕事があって住むところがあるならば何処へでもいった時代。
日本の高度成長の始まった時代。
女性の社会進出の始まった時代。
そして日本の「核家族」化が始まった時代。
あの時誰が現在の少子高齢化を予測できたであろう?
誰が農村部の過疎化を予測できたであろう?
現在は民放の女性アナウンサーが温泉のリポートと称して、「肌を露出」しても誰も批判などしない。しかし「フラガールズ」の時代、腰蓑とブラジャーだけで人前に出るなど、当時の父親が許すなど到底考えられる事ではない。それを現実の「目の前にある仕事」の収入で「男達の失業」を支えようとした「女たちの決断」に拍手を送らざるを得ない!そこには「理屈」ではない「現実」があった。
「昭和」を描いた映画として最近では、対極の「三丁目の夕日」があるが、私はそれはそれでいい映画だと思う。しかし「昭和」を旧きよき時代としてノスタルジーとして捉えるだけではなく、日本の「コミュニティー」が崩壊し始めた時代として認識して欲しい。
日本の男達よ、「ニート」だ「フリーター」だと言ってないで頑張って働こうぜ!ちょうど今景気は上向き、新卒や若い中途採用者を獲得しようと企業は躍起になっているんだから!
「またひとつー女のほうが偉くー思えてーきたー、またひとつー男のずるさがーみえーえてきたー、、、、、、、、、、、」

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