キャンディ、メールどうもありがとう。あれが、最後のメールのつもりかな?
「さようなら」の言葉が痛いよ。薬でヘロヘロの頭で書いてくれたメール。キャンディの本音が、短い中にいっぱいいっぱい詰まっていたね。。
「まさぼーさんは凄い。ナゴちゃんは偉い。わたしはダメ人間。それで良いんでしょ?」
親から、お金で愛を与えられて来たキャンディ。君は、「だからお金で愛情を試すしか分からない」と言う。僕やナゴちゃんが知らないわたしの人生の中で、母親とお金は大きな意味と悲しみがある、と。
お金お金お金お金お金と言われ続けてきて、つらかったろうね本当に。。よく耐えてきたね。。本当によく頑張ったね。。
「母親も病気、金ヒステリー。理解できないなら仕方ないのでしないでどうぞ。」
あはは。キャンディは、僕がそれを理解できないとでも思ったようだね?小さな頃から両親にお金お金お金お金と言われ続けてきた、この僕がかい?…情けなくって、涙が出そうだよ。。
キャンディは、自分を「ダメ人間」だと言う。だから「笑ってください」と。
でも僕は、君を笑えないよ。笑えるわけがないじゃないか?だって…キャンディを笑うことは、自分を笑うことになるからね。。
共依存関係にある家族は、みんな似たり寄ったり。ステレオタイプだ。特別な家族なんか、ないんだよ。みんな問題の本質は同じこと。愛がわからない人たちが、必死でもがいているだけ。それを笑うことなんか、誰にもできない。
キャンディは「与えたい愛情と与えられる側の求める愛情は違う事が多い」と言う。だけど、それはキャンディの単なる主観だろう?自分が求めている「完璧な愛」や「都合のいい愛」以外は、愛じゃないのかい?
愛は、愛だよ。みんな本質は同じ。男女の愛も、家族の愛も、動物や自然に対する愛も、みんな同じ愛。それをいちいち違えて感じるのは、人間という生き物が浅はかだからだよ。。
キャンディは「キャンディが信じる神様を僕やナゴちゃんが侮辱した」と言ったね。だけど、思い出して、よく考えてごらん。僕たちがキャンディの神様を侮辱したことが、ただの一度でもあっただろうか?
僕たちが言いたかったのは、「神様のこと」じゃない。「君のこと」だよ、キャンディ。
キャンディは「神様はクリスチャンに愛を注いでくれる」と言う。聖書は完全なる書であり、神様からのラブレターだ、と。
だけど考えてごらん。その完全なるラブレターのおかげで、世界は真っ二つだ。
「聖書を信じる者=正しい者。聖書を信じない者=正しくない者。」その思想を自分たちの都合のいいように悪用する人間が後ををたたないから、世界から戦争がなくならない。。
本当に神様が、キャンディのいうように「クリスチャンだけにしか愛を注いでくれない」のなら…僕やナゴちゃんは、いったい何なの?いったいどうなるの?僕たちは、そんなに罪深いの?
キャンディの信仰は、一種の選民思想だよ。僕は何度も言うようにキリスト教を否定するつもりはないけど、信仰する側の問題は、大きな問題としてあると思う。そしてそれは「神様の問題」ではなく、まさに「人間の問題」だと思うの。。
キャンディが言う「与えたい愛情と与えられる側の求める愛情は違う事が多い」は、実は「愛情を与えられる側の問題」ではないだろうか?
どんなに相手が親身になって与えてくれた愛でも、与えられる側が歪めて捉えたら、それは胡散臭い説教であり、要らぬお世話でしかないからね。。
僕は、愛も信仰も本質は同じだと思ってる。どちらも大切なのは「実践すること」。実践のない愛や信仰は、ただの机上の空論。それこそ胡散臭いからね。
神様を愛するキャンディならわかってくれると思って話すけど、神様への愛や感謝をあらわすには、正しい行いをどれだけ積めるか?ただ、その一点だと思うの。
「神様は全てを赦してくれる。」その言葉に甘えて好き勝手に振る舞うことは、それこそ神様に対する侮辱ではないだろうか?
だから僕たちは、毎日ほんの少しずつでもマシな自分になろうとして、努力している。まさぼーは、今日も忙しい病院で朝から晩まで汗だくで働いたし、ナゴちゃんだって毎日変わろう、変えていこうと必死でもがいてる。
こんな僕たちは、神様の愛を受ける資格はないのかなあ?
人間は一瞬一瞬、「死と再生」を繰り返しているという話がある。昔の腕のたつ剣豪は、そんな刹那を見極めていたらしいよ。
現代に生きる僕たちもまた、「死と再生」を繰り返している。例えばキャンディが口にした「さようなら」。それは終わりの言葉。「死」の言葉。。
キャンディは、神様を選び、僕やナゴちゃんを選ばなかった。それはキャンディにとって、「僕たちの死」を意味する。キャンディが生きる世界から、僕たちが消える。。
だけど「死」があればまた、「再生」もあるからね。たった一言「あの時はごめんね。またよろしくね。」と口にしさえすれば、僕たちは「再生」するの。
そして、耳の痛い話にただ腹を立てるのではなく、小さな勇気を振り絞って、素直になれない自分を変えて素直になる時、キャンディもまた「再生」するんだよ。
キャンディはいつも「死にたい、死にたい。」と言っていたよね。だったら…一度、本当に「死んで」みればいい。
もちろん「自殺」なんて、チンケでヘタレで卑怯な逃げを、勧めているわけじゃないからね!
弱くてズルいキャンディには死んでもらって、本当のキャンディを、今から始めようよ。まずは、生きて生きて生き抜くこと。それしかないよ!
何度転んだっていいじゃない?だけど、あきらめるにはまだ早すぎるよ。。
キャンディは僕やナゴちゃんと、いつか一緒にカラオケに行くんじゃなかったのかい?あんなに楽しみにしていたじゃない?。。
僕たちは、ずっとずっと楽しみにしているよ!!
キャンディは、よく自分のことを「馬鹿」と言う。だけど、本当に「馬鹿」なのは、僕たちのほうだ。嫌われるのを覚悟で必死のメッセージを送り続けて、「さようなら」と言われても、まだあきらめない。
馬鹿は、死ななきゃ治らない。僕たちもまた、日々「死と再生」を繰り返して、明日は今日よりマシな自分になれるように頑張ってみるよ。。
キャンディを傷つけて悪かったね。それは謝ります。ナゴちゃんのことも赦してあげてね。
キャンディ!
WE LOVE YOU!!!!

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