友達のスカバンドが福島県は郡山でライブというので、遊び兼運転手の名目でついて行ったけど運転はしなかったりするという迷惑な先輩風をふかしてみた。
お盆も間近のその日は、東北道から行くと仙台方面へ向かう車の渋滞に巻き込まれそうだったので、常磐道からちょい回り込むルートを選択。すると、途中でリカちゃんキャッスルなるものの立て看板を発見。ICから5分くらいだったので、せっかくだから観光にとちょっと寄り道で途中下車してみる事に。
暫く道なりに進むと農協の即売所の向かいに貴族然としたお屋敷がそびえ立っていた。
ドヨ〜ン。
「コラコラ、こんな所で遊んじゃいけませんよ」ぱっと見、ラブホテルの敷地内で子供たちが遊んでいるという錯角に陥るが、さにあらず。これはれっきとした子供達の為のアミューズメント施設であって、ラブホやパチンコ屋といった大人のアミューズメント施設ではないのです。
ド田舎にこんなん建ってると妙に背中がこそばゆい。
600円くらいの入場料で中に入ると、世界各国のリカちゃんなんかが展示してある。下の写真は中国のリカちゃん。
どっからどう見てもパッケージ写真と別人やんけコラ。
いくらなんでも公式ライセンスでこれはねえだろってばよ!「リカ・チェン」か?「リー・クァー・チェン」なのか?まさかこれが「リカちゃん」とは…。顔が命の吉徳社員だったら有無を言わせず切腹モノですぞ。タカラさんしっかり!
「写メやプリクラは3倍増し」と巷ではもっぱらの噂だとオレが勝手に今考えただけだが、人形でもこの理論が適用されるとは、女性といふものはげに恐ろしきものである。
エーッキュ!さーけーんーでみぃーろエーッキュ!
世界に誇る日本のTHE耽美的。ヴィジュアル系の創始者と言われる、と言っているのは今時あんまおらんかもしれんがヨシキさん人形。
しかし、エックスをカテゴライズするなら勿論メタルであろうし、それは皆も異論は無いであろう。
ゴシックロックやビート、メタル等が組み合わさってヴィジュアル系になったとされているが、オレにとって核心的に確立されたヴィジュアル系スタイルというのは音楽性そのものよりも、男が女に近づこうとした瞬間であり、化粧をしていてもその意識が根に無いものはヴィジュアル系とは言い難い。
のではないか?
いつも通り何にしても明言を避ける、気弱なオレ。
んで、圧巻だったのがコレ。リカちゃん一家、香山家の歴史なのだが、この一家の抱える闇の深さはそんじょそこらの携帯小説など軽く駆逐するほどの凄まじさ&ミステリアス。
フランス人クラシック音楽指揮者のピエールパパは家庭を顧みずやたらと失踪するはだかの大将みたいなオッサンなのである。
しかも、二度も失踪したにも関わらず、リカちゃんママの織江夫人が多角経営に乗り出した事業が安定してきた頃にふらりと戻って来ては、何食わぬ顔をしてやさしいパパの座に居座るという、どう見ても金目当ての詐欺師くさい行動。
ちなみにリカちゃんにはリエという姉がいるのだが、幼少の頃に生き別れたものの、その後、劇的な再会を果たし暫くは一緒に過ごすもまた失踪(現在進行中)
ミキという妹もいるが、織江夫人が双子の赤ちゃんを出産したのと同時期に消息不明に(現在進行中)そしてそのミキという名前は双子の赤ちゃんの一人に受け継がれる。
口減らしでしょうか。完全に犯罪の匂いがするんだけど。
そんな中、ピエールパパと織江婦人はせっせと子作りに励み、三つ子をもうけ本来なら10人家族に。こんなに子供ばっか作って、次は誰が行方不明になるのか考えるとそら恐ろしい。
ついでにリカちゃんの男性遍歴だが、4人のボーイフレンド全て年上の先輩である。しかも殆どリカちゃんの方から憧れて関係が始まったにも関わらず、全てがいつの間にか別れていてその記述は一切無い。いつの間にか新しいボーイフレンドが現れるだけである。最終的に結婚し、35歳で出産するのだが、相手の男はパパと同じフランス人である。もうやめろってフランス人はー!
虐待を受けた子供は、大人になってから自分の子に対し虐待を繰り返す率が非常に高いというが、香山リカ嬢も何か言い知れぬトラウマを抱えている事が容易に推察される。
色々とドラマティックな家族である。
ファミリーの家計図。
見て分かるように、どっからどうやって苗字が「香山」になったのか全く意味不明だろってばよ。
というか、殆どピエールさんとこの設定図である。製作サイドの異常なフランスコンプレックスが見て伺える。失踪中の妹「ミキ」ちゃんはとうとう家計図からも外されているのにー。
なんかリカちゃんで熱くなってしまったけど、郡山についたら祭りをやっててライブ前から飲んだくれてしまった。
次の日は二日酔いで当然運転しなかったうえにライブの写真も撮ってないという、ただの迷惑な先輩風を吹かしてみた。

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