…そろそろ本番の時間か…。
オレはやおら起き上がって家を出る。
ここの所、オレのもっぱらの足はバイクでは無くチャリである。
赤い彗星と近場のノラネコ達に恐れられていたオレのヨンフォアはここ最近の連邦軍による駐車禁止政策によって「サイド3」と勝手にオレが呼んでいるだけである友人宅のガレージへの帰還を余儀なくされた。
一方、新たなる戦局の巻き返しに手に入れた白いモビルスーツ、と勝手にオレが呼んでいるだけの買い換えた真新しいチャリのコックピット、と勝手にオレが呼んでいるだけのサドルに腰をおろして「カツヲ、イキマース!」ハイハイ、勝手にお行きなさい、どこぞへと。そんな感じでオレをいぶかしげる大家を尻目に緊急発進。細道を抜けて遊歩道へと出ようとするとまた居るアルヨ。
あの高校生カップルが!
そして見る度に奴らは確実に進化している…。
こ、これが…ニュータイプだとでも言うのか…!
抱擁しとりますがなー!!おおおー!(゚Д゚;三;゚Д゚)
ピュイーンピュイーン EMERGENCY!EMERGENCY! ピュイーンピュイーン
敵モビルスーツ二機発見!直ちにミノフスキー粒子を散布シロォ!!敵のレーダーを狂わせて身を隠すんだァアア!!!
できるかいな、そんなもん。つーか既に気にされてないやんけ。
なんつーか、世界は君のためにっつーか、世界はあなたのためにっつーか…オレはおらんのかい!ここ道路!どーうーろー!!人通るっ!ネコも通るぅう!!オケラだってアメンボだってミツバチだって通るぅう…カモシンナイ!皆んな皆んな生きて通るんだ友達なのっ!友達大切にしろやゴルァ!お前らだけ生きてると違うぞ!なんか羨ましいやんけ…!って違ーう!気になるやんけ!ちょっとは気にしろっ!ちょっと待て、気にされるのもなんか嫌やけど気にされんのもなんかムカツクー!!ヽ(`Д´)ノノォオー!!
なんでオレがこんなジレンマ抱え込まんといかんの?(・∀・)?
そんなこんなで出発したオレは一時間後にはステージに立ってにこやかにベースを弾いて、朝4時くらいまで打ちあがってドロドロになりながら一人ラーメン食って替え玉までしてフラフラになりながらチャリンコで家まで辿り着き朦朧とした意識のままベッドの中にヘッドスライディング。
ものすごフトン冷たい。

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