とべバッタ (創作大型えほん)

田島征三さんが描くダイナミックな絵は自然界の豊かさ、力強さ、厳しさ、そして命や生きることの大変さや素晴らしさを感じさせてくれる。敵に怯えながら隠れる様にして過ごしていたバッタの一大決心を描く。
隠れ潜む場所から日差しを浴びる石の上に出てくる。もの言わぬバッタだが、自然(社会)の厳しさに向かおうと佇むその姿に目頭が熱くなる。容赦なく厳しい現実が襲ってくる、バッタは自らの持つ精一杯の力を込めて跳ぶ,向かってくるものとぶつかりながら...。やがて失速し、地面に叩き付けられる寸前、自分に与えられていたものに気づくのだ、他者にどんなに不格好に映ろうと馬鹿にされようと
自分のありのままの姿で勇気をもって精一杯生きようと跳ぶバッタに励まされる。
一歩踏み出せないでいる子どもたちや大人に、意気消沈しているお父さんに、ちょっと疲れ気味のお父さんにも、手にとり開いて欲しい一冊。「さぁ とべ!」そんなエールが聞こえてくるようだ。明日も頑張ろう…という気力が沸いてくる一冊です。

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