きみ去りしのち

身近な者を、愛する者を失った悲しみは、簡単に失せるはずはない。それでいいのだと思う。けれど、悲しいままずっと過ごすこともできない。涙はやがて涸れるでしょう。悲しみは受け止めつつも明日への希望をもってたちあがらねば成るまい。
かざぐるまを回す風、鯉のぼりを通り過ぎる風、風鈴の涼しい音を奏でる風、風はこの目には見えないし、何処から吹き、何処へ去っていくかわからないけれど、過去から現在へ、そして未来へと、私のそばにあり続けるのだ。そんな風のように、身近に感じることができればいいのではと思う。

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