1/12、宮古島で初めてのウルトラに挑戦してきました。
フルマラソンとは全く違う、新しい世界で実にさまざまな経験と思い出ができました。
宿での出会いもとても楽しく、今後の人生を変えるとくらい思えるような貴重な旅でした。
5:00〜7:30(スタート〜20km)東急リゾートから北上し、池間大橋へ
既に蒸し暑く、真っ暗
懐中電灯を持つ人を頼りに走る
サトウキビにつまづいて転ぶ人や、コースを間違える人がいた
コンビニのトイレで並んで時間を使ったけれど、まだまだ後ろはいた
13時間目標の初挑戦の方としばらく会話
池間大橋が近づきようやく夜明け
7:30〜9:00(20km〜35km)池間大橋〜池間島
共通の知人を通じて意気投合したよく話す女性ときれいな海を見ながら池間大橋を渡る
さらに二人三人と会話集団が広がる
帰ってきたトップ、ごーくんとすれ違う
池間島のエイドでは食べられず、この先ずっと食欲なし
島を一周して、いつの間にか1/3終了
9:00〜11:10(35km〜48km)池間大橋〜トランジットの村
確かに足の痛みや疲れは感じるけれど、もともと遅いのもあって、35kmの壁はなし
元来たコースを戻り終えて42kmから東へ、未踏の世界へ
日差しと暑さでばて始め、肌は塩でざらざら
予定より遅れて11:00頃ようやくたどり着く
サトウキビジュースを飲み、後半用の荷物を取り出す
11:10〜14:40(48km〜65km)トランジットの村から東へ
休憩して復活したけれど、すぐばてる
ここで初めてやばいくらいに暑く、給水が足りてないことに気づく
自販機でジュースを買って飲んで復活
すぐばてて、エイドでにたどり着いては給水の繰り返し
体にも水をかけるようにする
前方に人がいなくなって迷子が不安になり、入れ替わり立ち代わり後方から来たランナーと話しながら進む
宿のオーナーが現れてアイスとお茶をくれて、一気に生き返る
共通の知人でビールを飲みながら走る男性と話し、気持ちが楽になる
城辺公園でトイレ休憩
14:40〜16:00(65km〜75km)東平安名崎
東平安名崎入り口でししゃもくんとすれ違う
日差しが辛くて目をつぶりながら走る
すれ違うランナーと声を掛け合うが、余裕がなくてかなり愛想なしな自分が辛い
宮古島に到着した知人夫婦の応援に出会う
少し元気になったが、限界を感じて歩き出す
灯八親分の三味線を聞き、岬の絶景を見る
チョコチップアイスとさんぴん茶で長期休憩し、このまま日が陰るまで休みたいと弱音を言う
少しでも距離を稼ぐために歩いて東平安名崎を戻る
やがて光が弱まり、俄然快調に走り出す
入り口の給水は切らしていたが、残っていたさんぴん茶で乗りきる
16:00〜19:00(75km〜90km)南海岸線沿い
足の裏の痛みが激しいながらもすこぶるの快走
時折だるさが訪れるのと、足の痛みを少しでも休ませるために歩く
知人夫婦と宿のオーナーから二度目の激励を受ける
思い切ってエイドで足全体に氷水をかけてもらい、いくらか痛みは忘れられた
完全に歩きに入り、この先はただ体力がなくなっていくだけだとしか思われなかった
ウルトラの厳しさを実感、完走することがすごいことなのだと改めて感じる
泣きたくはなったけれど、完走までがまん
ゴールシーンを想像する
時間に余裕はなくなるが、来間大橋の夕日と、完走だけを目標に足を進める
90kmになればあとは大丈夫という話を信じて90kmを楽しみにする
足の裏の痛さに、靴を脱いで休んでいたら、ランナーが一人エアーサロンパスをかけてくれた
90km前から何かを開き直ったかのように快走に戻る
福島の二人組みに声をかけられ、休んだり歩いたりしてばかりですと言うと、それがウルトラだよ、と明るく言われる
19:00〜20:?(90km〜95.5km)来間大橋〜来間島
思いのほか時間がかかり、日は沈む
歩きなのに私より早い長身ランナーとともになんとか来間大橋にたどり着く
ほんのり赤みを残した空と、街灯の明かりできれいな海を一瞬見る
この後は一人で走る
突然めまいを感じて止まる
黒い海と海風に恐怖を感じる
まさか完走できないなんてという考えが初めて浮かぶ
気をしっかりと自分に言い聞かせながらゆっくりと歩く
歩道に腰掛けてお茶を飲んで休むが、一向に改善なし
雨が降り始めて真っ暗になり、通るタクシーに目を向ける
次のエイドまでたどり着き、そこで休もうと考える
ふらふらしながら来間大橋を歩き、やっとの思いで来間島にたどり着く
橋の街灯がなくなり、進行方向も見えなくなる
後ろから来るランナーに助けを求め、エイドまで連れて行ってもらう
エイドで座り込み、気分が悪いので休ませてくださいとお願いする
飲食物を進められても受け付けられず、体は震えていても寒さすら感じない
こんな状態に追い込むなんて、無理をしすぎたと今まで走った距離を後悔する
しばらく休んで良くならないとき、リタイアの選択を考えて迷う
時間はたっぷりあるからゆっくり考えるようにスタッフに促される
しばらく休み続けるか、リタイア宣言をするか悩む
残りわずか4.5kmはコースは難しくなく、歩いてもそれほど時間はかからないと聞くが、残りの距離や難度は関係ないと思った
ただ、あの橋を歩いて戻ることはできないと思った
しばらくして、リタイアしますと言った
20:?〜
エイドのスタッフに抱えられ、車でゴールまでコースと同じ道をたどった
ゴールテープを見たが、引き返すことはできなかった
最初の挑戦はとても痛い終わり方でした。
体調不良を起こす原因も、95.5kmでの選択も、他の対処を考えられなかったことも、それぞれに反省するところはあると思いますが、後悔はありません。
半分ではありますが、とても貴重で意味の重い体験をたくさんできたからです。
全てを含めてこうした経験がなければ、マラソンをどこか甘いものだと思ったかもしれません。
100kmも走ってみれば案外何とかなる、とあまりにも気楽に構えていました。
その一方でウルトラマラソンに対してあまりにもおびえていました。
90kmまでも暑さに痛みに苦しさに、実にいろんなことがありました。
そうした数々のトラブルに、「とりあえず休めば案外復活する」の一本槍で解決してきました。
それがかなわなかったとき、自らの体力と自然の力に負けました。
フルマラソンの延長のような走る力で対処できたのは70kmまででした。
その先は人とのコミュニケーションも含め、さまざまな人生経験や生きる力が必要なのだと思いました。
この先、再挑戦して完走できるかどうかはわかりません。
私の中では、最後にあきらめたというよりはそもそも力不足だったという思いが実は強いです。
次回挑戦するときは、「絶対に完走する」という自信の元になるような練習と、「とりあえず行けるところまで行ってみよう」という気楽な気持ちを持って本番に臨みたいです。
そして、一人で挑戦しようと思わずに、いろんな人の支えを受けて生きさせてもらっていることを忘れずに普段から生活しようと思います。

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