
僕が山下久美子を知ったのはこのアルバムのリリース当時(1981年)です。僕は高校2年生でした。深夜の音楽テレビ番組で「雨の日は家にいて」を歌っているのを見て気に入り、このレコードを買いました。
聴いてビックリ!すっげえ良い!特に「ロマンティックが好き(作詞:KURO/作曲:西岡恭蔵/編曲:石田長生)」「どしてもプリーズ(作詞:康珍化/作曲:岡本一生/編曲:伊藤銀次)」「珍しいほどスウィートラブ(作詞:康珍化/作曲:亀井登志夫/編曲:石田長生)」「Don't Delay(作詞:大沢誉志幸・井上和宏・山下久美子/作曲:大沢誉志幸/編曲:伊藤銀次)」「シャンプー(作詞:康珍化/作曲:山下達郎/編曲:石田長生)」などの素晴らしさには参りました。
アルバムは全部コピーして聴きながらギターを弾きました。「シャンプー」の石田長生さんのギターソロが特に大好きで良く弾いたなあ。
まだこの頃の山下久美子は大したヒットもなく、知る人ぞ知る存在でした。それでも局地的な熱狂はあり「学園祭の女王」「ライヴハウスの女王」「総立ちの久美子」などと呼ばれていました。このアルバムはサード・アルバムだったので、遡って「バスルームから愛をこめて」「ダンシン・イン・ザ・キッチン」も買いました。特に全曲を松任谷正隆さんがアレンジした「ダンシン・イン・ザ・キッチン」には大感激して繰り返し聴いて全部コピーしました。
山下久美子がそろそろライヴハウスを卒業しようとした頃、僕も新宿にあったルイードのライヴを見ようと思ってチケットを買いに行ったらすでに売り切れ!この時は涙を呑んで、初のホールコンサートである渋谷公会堂に見に行きました。まだあまり知られてなかったので一緒に行く人もいなくて、1人で見に行きました。高校3年生になったばかりの時だったと思います。新曲で細野晴臣さん作曲の「赤道小町ドキッ」が発売される頃かな。「これはこれから売れるだろうなあ」とコンサートを見ながら思ったのを憶えています。
今から考えるとバカみたいですが、僕はこの頃に「俺は将来、山下久美子と結婚する!」とクラスメイトに話していました。「ロック夫婦になるのだ!」などと高校のクラスの中でほざいておりました。缶ペンケースの中には山下久美子の写真を貼り、隣の席のホリエ君に「カッコイイだろ、ロックだろ」と同意を求めていました。写真集まで買いましたからねえ。かなり入れ込んでいました。
高校生の頃、女の子とデートした時に部屋で山下久美子の「自分ベスト」のカセットを流していたら「こういうの、つまんなくない?」と言われて幻滅し、それっきりになった事があります。この良さがわからんのか!と思いましたが、当時のアイドルに夢中でこういう音楽は理解できなかったみたいです。
アルバムは結婚前の「ブロンド」まで全部買いました(10枚目までですね)。他のアルバムも好きだなあ。結婚後は全く買わなくなってしまいましたが、今でも結婚前のアルバムは大好きです。
残念なのはこのコロムビア時代のオリジナル・アルバムが現在非常に入手困難な事です。本当に全然見つかりません。中古CDショップなどでチェックしているんですけどね。僕が手に入れられたのはまだ3枚です。これからもしつこく探すつもりですが。この辺のアルバムが全部廃盤というのは何ともやるせないです。これらのCDは音質がイマイチなので、とっととリマスターして全部再発して下さい。全部買いますよ。