
昨日は僕の44歳の誕生日&ライヴでギターを弾く日でした。以下、レポートです。
【頭痛薬を飲んでライヴに出よう】
昨日は朝早く目覚め、寝不足。なんだか体調が悪いので、朝食後に再び寝る事に。しかし眠れず、結局午後1時頃まで横になる。会場へは午後5時入りでリハーサルがあるので、ギターの弦を張り替えていたら、なんだか少し頭痛がする。ツライので、頭痛の薬を飲んで家を出る。電車では座れたので、具合悪いなあ、ライヴなのになあと思いながら、目をつぶっておとなしく揺れて行きました。
【着いたら皆は餃子を食いに行っていた】
会場の新橋ZZには午後4時40分頃到着。今日の出演者の看板を撮影。
撮影していたら、ギターのリズム・Keyさんが到着。2人でお店に入ると、楽器のケースがズラリと置いてあり、スタッフの方が「みんなもう来たけど餃子食べに行きましたよ」との事。皆の旺盛な食欲に、リズム・Keyさんとほのぼのと笑う。
【リズム・Keyさんの大発見】
他に誰もいないので、立ち位置をどうするか相談。今回はリズム・Keyさんと僕のツインリードギターの日だったのです。右のギターアンプはローランドのCUBEにVOXのスピーカー、左はCUBEにマーシャルのスピーカー。
お互いに「どっちにします?」「どっちでもいいですよ」「やりやすい方を選んでいいですよ」「どっちでも構いませんよ」「僕もどっちでもいいんですよ」「どっちにしましょうかねえ」「どっちもどっちですよねえ」としばらくやり取り。どうやら本当に2人共、どっちでも良かったようです。
そのうちリズム・Keyさんが「でも右側だと、コーラスのえみちょの後ろなので、ツーショットに近いというメリットがありますね」と『右だと若い女の子の近くでギターが弾ける』という、まるでリンゴの落ちるのを見て万有引力に気が付いたしたニュートンのごとく、鋭くメリットを発見。
40代後半〜50代の男所帯のバンドの立ち位置は、こういう事で決まるのかと、目からウロコが落ちた思いがいたしました。
※追記:リズム・Keyさんから「それを言ったのは僕ではなくミキサーのボーンさんだ」というクレームが入りました。僕はその手の記憶はほとんど間違えないのですけど、やはり体調が悪くて記憶ミスをしてしまったようです。なにしろリズム・Keyさんは「正直者ギタリスト」の異名を取り、メンバーからも「Keyさんは生まれてから1度も嘘を付いた事がない」「Keyさんが嘘をついた時は世界が終わる時だ」と言われておりますので、僕の記憶違いとして、訂正&お詫びをいたします。
結局、なんとなくリズム・Keyさんがメリットのある右側に決まり、僕はキーボードのィ┣ 一φ力ラテさんに近いというメリットのある左側のアンプを使う事に。
【出演者に東北人が4名】
そのうち、餃子を食べ終わった出演者の皆様がニンニクの匂いと共に戻って来ました。「餃子のハシゴしちゃいましたよ〜!」と元気いっぱい夢いっぱい。明日の日本は俺たちに任せろ!という雰囲気で、満腹になった皆の顔はまるで太陽のごとく輝いておりました。
今回は対バンの神楽坂RAIDEN DROPSの中に、東北出身者が3名(宮城1名、秋田2名)もいるというので、宮城出身の僕は、なんだか懐かしいような感じがします。
そういえば東京の高校に入学した頃、同級生に「どこから来たの?」と聞かれて「宮城県だよ」と答えたら「ああ、九州からか」と言われた事を思い出しました。そりゃ宮崎県だ。忌野清志郎さんが福岡県のコンサートで「福島エブリバディー!」と叫んだ伝説もありますが、同じように間違えられやすい県名なのでしょう。
東北出身の皆様と「じゃあ今度、この東北出身者だけでバンドやりましょうか」などと盛り上がり、「歌詞は全部東北弁で。でも音まで訛ったりして」と言って笑いました。
でも考えてみたら、ドラム、ギター、キーボードが揃っているので、僕がベース弾けば本当にバンド出来ちゃいますね。秋田民謡の「ドンパン節」のスラッシュメタル・ヴァージョンとか、「大漁歌い込み」のヘヴィメタル・ヴァージョンなんかいかがでしょう。
【対バンに同郷の同じ中学校出身者が!】
神楽坂の皆さんとは何度か共演しておりますが、今回はバンド名も変わり、新加入のキーボーディストのHajimeさんという方が仙台出身だというので、リハ後にお話してみると、なんと僕と同じ中学出身だった事がわかり、お互いにビックリ!
東京に出てきて約30年になりますが、同じ中学出身の人に出会ったのは初めてです。しかも対バンなんて!年齢は僕の方が4歳上ですので、同じ校舎で同時期に学んだ事はありませんが、ライヴやってる時に「センパイ!」なんてかけ声をかけられたのは初めてでした。
【校歌が思い出せない卒業生】
神楽坂RAIDEN DROPSのwangさん(僕と同い年)に「いやビックリ。Hajimeさんと僕、同じ中学だったんですよ」という話をしていたら「どんな校歌だったんですか?」という話になったのですけど「あれ?どんなだったっけ?」。
2人で一生懸命思い出そうとするも、全く思い出せません。3年間も歌った校歌なのに。しかもHajimeさんはブラスバンド部で、毎週校歌を演奏していたのに。
お互いに、小学校や高校の校歌は思い出せるのに、中学校の校歌だけが出てこない模様。いくら考えても思い出せないので「どちらかが思い出したら報告し合うようにしましょう」と言って解散。
20〜30分ぐらい経ったところで、僕が思いだしたのでHajimeさんに歌って聴かせたところ「あ!それです!思い出しました!」と叫んで、無事解決。
しかし、改めて考えてみると、本当にありふれたメロディーの、影の薄い曲だったような気がします。卒業生が思い出せないんだもんねえ。
【ドラマーの貸し借り】
当日はドラムの高木さんがサウンドチェックのリハに遅れるというので、神楽坂RAIDEN DROPSのドラムのScillyさんをお借りしてのリハ。Scillyさんはとにかくパワフルで音がデカイ。社会人バンドで、リハの時のメンバーの貸し借りは、良くある事です。でも貸し借りをしても、利子はつきません。
リハの時にアンプの設定などもするのですけど、えみちょから「KENNYさんのギターが全然聞こえないよ〜」と学校の先生に怒られるように言われてしまい、「はーい」と少し音量を上げる事に。ドラムもアンプもほぼ生音が客席に届く会場は、ギターアンプのすぐ前で演奏していると、自分の音ばかり聴こえるのでどうしても音量を下げ気味にしがちです。少しアンプのボリュームを大きめに設定して、あとはギター本体のボリュームノブ(ツマミ)で調整する事に。
でも大きめにしたと思ったのに、リハ後にドラムを手伝ってくれたScillyさんに「KENNYさんのギター、もっと大きい音にした方がいいですよ」と言われてしまいました。全体のサウンドのバランスが把握しにくい位置なので、こういうアドバイスは本当にありがたいです。ドラムも手伝ってもらって本当に助かりました。一日一善をしたScillyさんには幸運が訪れることでしょう。
高木さんは7時半頃に到着。挨拶をしてすぐ、あの曲は僕のギターソロが8小節あったあとにブレイクで云々…という構成の確認。高木さんは他のバンドのリハで4時間スタジオにいた後に駆けつけました。「本番の体力残ってます?」と言うと「大丈夫!バッチリです!」との力強いお答え。そういえば高木さんは、ドラムなら1日中叩いても全然疲れないと以前言っておりました。さすが尊敬するスーパードラマー!この時はまだ、アンコールの高木さんのプレイでメンバーがズッコケる事になるとは思ってもみませんでした。
【そして僕の体調は】
出演者の皆さんとのお喋りはとても楽しく、たくさん笑って過ごしていたのですが、僕の体調はちょっと下がり気味。お客さんが来る頃には「ああちょっとヤバイかも」と内心思いつつ、口に出してしまうともっと悪くなりそうな気がしたので誰にも言わず。まあ、ステージに立てば大丈夫だろうと思いつつ、出演前にビールを一杯。出演前にアルコールを飲むのは、僕の場合はほとんどないのですけど、景気づけのつもりです。「一丁やったるでー!」という願いを込めて。
【対バンの皆さん】
そうこうしているうちに、午後7時半を過ぎて開演。前座は、どるたんの弾き語りにHajimeさんがリコーダーで加わったり、えみちょがコーラスや口笛で参加。
えみちょの口笛ソロに会場から大拍手(特に中年男性から)。
次に神楽坂RAIDEN DROPS。
ドラム、ベース、ギターにキーボードとサックスが参加して、曲調も16ビートのメジャーセブンス系が加わっていたりして、グッと音楽性が広がっていました。スゲー!
途中でwangさんがMCで、僕が誕生日である事を言ってくれてビックリ。嬉しかったです。
【出番前の暗転】
僕らの出番になったので、ステージに上がってセッティング。アンプのセッティングをしようと思ったら、暗すぎてアンプのツマミが全く見えない!このアンプは奥にツマミがあるので、真っ暗で本当に何も見えないのです。困ってリズム・Keyさんを見たら、やはり見えないようで、携帯電話の画面を明かり代わりにして必死にウルトラマンのごとく暗闇と格闘していました。僕は携帯電話を荷物に入れて来てしまった。
困ったので、スティーヴィー・ワンダーになったつもりでツマミの突起を盲パイ状態で探りながら、勘だけでセッティング。最近のアンプはモデリング機能などが付いていて、ツマミひとつで音が全く変わってしまうので、真っ暗で確認できないと本当に困ってしまいます。
【いざ本番!】
1曲目からドカンとハードに行きました。メンバーは、どるたん、山本さん、ィ┣ 一φ力ラテさん、リズム・Keyさん、えみちょ、高木さん、僕。今回はどるたんが12弦のアコースティック・ギター、僕とリズム・Keyさんがエレクトリック・ギターのトリプルギター編成です。6弦が2人、12弦が1人、ベースの弦も入れたら、弦だけで28本!
1曲目の「ううろんち」では16小節をアコースティック・ギターだけにするアレンジにしたので、その隙にアンプを見てセッティング。この時、内蔵されていたディレイ(いわゆるエコーです)のツマミがオンになっていたのを見落としてしまいました(付いている事も知らず)。
そのため、残響が多いまま「おかしいな?エフェクターはこんなにディレイかけたセッティングにしてないんだけどな?」と、地獄の底から響くようなエコーを疑問に思いつつ弾きました。ディレイのツマミに気が付いてオフにしたのは、ステージがかなり進行してからでした。トホホ。本当はあんなにディレイがかかってなかったのです。まるでカラオケ初心者のようなエコーでした。
2コーラス目のお休みの16小節は、やる事もないのでどうしようかと思ってリズム・Keyさんを見たら、ギターを持ったまま軽やかなステップでマイケル・ジャクソンばりにノリノリで踊っていたので、僕は対比が面白いかなと思い、腕を組んで仁王立ちしてみました。
そうしたら、どるたんがその僕を見つけ、演奏しながら大笑いしていました。ウケて良かった。
後でこの仁王立ちの自分の写真を見て、たまに混んでいる新幹線や電車で、僕の隣の席が空いているのに、誰も座らない理由が少しわかった気がしました。
【そして僕の体調は】
ステージに上がれば体調は戻るかな?と思ったのですけど、あまりそうでもなかったようで、ギターのピッキングなどにムラが出てしまい、弾きながら「ありゃあ、調子悪いなあ」と、少し丁寧に弾くように心がけました。
考えてみると、去年の初めに肩を痛めてまったくギターが弾けなくなり、ライヴでギターを弾くのは4月以来だったのです(他のライヴでベースやギタレレは弾きましたが)。腕も鈍るわけですね。
決定的だったのが「デパート」という曲で、コードを1つトチってしまいました。僕はコードを間違う事が全くというほどないのですけど(あっても年に1回あるかないか)、パッとハイボジションを押さえたら、1フレット分ズレていたのでした。
おまけにこの曲ではエンディングのギターソロで、エフェクターにプリセットしていたセッティングと違う音を呼び出してしまい「ペヨ〜ン」というショボイ音になっちゃうし。でも顔には出さず「最初からこの『ペヨ〜ン』という音で弾くつもりだったんだぜ!」という顔で通しました(ステージではこれが実は1番大事なのです)。本当は「グニョ〜ン」という音で弾きたかったのに「ペニョ〜ン」になるとは。「グニョ〜ン」と「ペニョ〜ン」には大きな差があります。
他の曲でも何カ所かピッキングのミスをしたりして、自分的には反省点が残る演奏でしたが、演奏後、たくさんの方に演奏をとても褒めていただきました。ありがとうございます。
でも演奏後、リズム・Keyさんから「KENNYさん、今日はあんまり激しく弾きませんでしたね。この前のリハの方がずっと激しかったですね」と言われました。さすが女の子の近くでギターが弾けるというメリットを発見したリズム・Keyさんです。スルドイ!
※追記:前述の通り、リズム・Keyさんから「それを言ったのは僕ではなくミキサーのボーンさんだ」というクレームが入りました。なにしろリズム・Keyさんはメンバーからも「リズム・Keyさんは嘘をつくと顔が緑色になる」「リズム・Keyさんが嘘をつくと3メートルに巨大化する」と言われておりますので、僕の記憶違いとして、訂正&お詫びをいたします。
山本さんからは「今日のKENNYさんのギターはサイケですごく良かった」と言われました。ドラムの高木さんからは「ギターのリズムがすごく気持ちよかったですよ」と褒めていただきました。いつも観に来て下さるゲーム作家のスージーさんにも「2人のギターの対比が最高でしたよ!」と言っていただきました。ありがとうございます。
演奏後、ビールを買いに行った時、近くにいた対バンのギタリストで僕と同業者(アレンジャー)のこばさんに、こっそり「色々と今日はギタープレイに反省点が多い演奏でした」と、まるで恋人のように耳打ちしたところ、こばさんも「実は僕もです」と仰り、ギタリスト同士のヒミツのナイショ話をヒソヒソと仲むつまじくいたしました。
自分のギタープレイは100点満点の50点ぐらいでしょうか。そういうのは生まれて初めてです。
※ 追記:ビデオを見てみたら、そこまでひどくもなかったような。でも体調のためか、他人の手で演奏しているような違和感がありましたし、自戒を込めてやはり僕の今回の演奏は自己採点で50点ぐらいにしておきます(まあ、いい加減な採点ですけど)。他のメンバーは頑張っていたので満点じゃなくて申し訳ない。
もっとブルース・リーがヌンチャクを振り回すように激しくアクションして弾きたかったし、もっと良い演奏をしたかったですが、良いアンサンブルになるよう精一杯弾きました。肩が痛いので普段ほとんどギター弾けなくなっちゃいましたからねえ。でも肩が治ったら、また練習して「まるでブルース・リーのようだ!」と言われるような、カッコ良いギターが弾けるようになろうと思います。
【ケーキとハッピーバースデイ大合唱】
最後の曲で、療養中のどるたんが曲の途中で歌えなくなり、皆で心配しながら演奏していたのですけど、なんとか復活し、楽器を置いたところでアンコールの拍手が。いつの間にか、会場は満員で立ち見の人が後ろにたくさん並んでいました。
どるたんの体調が心配ですので、アンコールはどうするのかと思っておりましたが、どるたんがマイクの前に立ち「アンコールの前に、今日はKENNYさんの誕生日ですので、ケーキを用意しました」と言うではありませんか!もうビックリして、思わず「ウソ?!」と叫んでしまいましたが、本当にケーキが出てきて、会場の皆さんが「ハッピーバースデー」を歌ってくれました。
歌い出した時に、客席から「伴奏ないのかよ!」との声が出ましたが、皆楽器を置いてしまったので無伴奏。でも高木さんがドラムの前に行き、最後に少しだけ叩いてくれました。
こういう誕生日のお祝いは初めてでしたので、本当に嬉しかったです。
ケーキは家で、ちゃんとローソクに火をつけて、美味しくいただきました。
用意してくれたどるたんとSORA☆さん、祝ってくれた皆さん、ありがとうございました。
その後、2曲ほどアンコールに応え、高木さんが最大の見せ場であった、エンディングのドラムのオカズを叩き忘れてメンバー全員で「ハラホロヒレハレ」とズッコケるという微笑ましい展開の後、演奏は終了しました。
【ライヴを終えて】
ライヴ後、出演者の皆さんや観に来て下さった皆さんとお喋りをしていたら、出演者の集合写真を撮ろうという事になり、皆でステージの前に集まりました。
みんな酒持ちすぎ!
いやもちろんいいですけどね。僕もビール飲みましたし。演奏後のお酒はオイシイです。
撮影したデジカメのモニタ画面をみんなに見せたところ「おお〜!いいですねえ!これアップして僕らにも下さいね!」と、まるで修学旅行で友達が撮影した写真を「焼き増しして!」「俺も俺も!」と頼む昭和の中学生のごとく、盛り上がっておりました。
帰宅する時に、またみんなが「誕生日おめでとうございます!」と言って、全員で拍手をしてくれました。どうもありがとう、ありがとう、また一緒に演奏しましょうと言いながら、宝塚を引退するトップスターのような気持ちでドアを閉めました。嬉しかったです。
【帰宅して体調悪化】
電車に乗ったら、ドッと疲れが。そのままウトウトしながら帰宅。リハの合間におにぎりを2個食べただけでしたのでお腹も空き、途中でお弁当と豚汁を買いました。もちろんケーキもいただきました。
ライヴの時は気を張ってなんとか持ちましたが、終わったらもうダメなようで、虎の毛皮の敷物のような体制です。前日から少し咳も出ていたし、風邪のひき始めなのかも?そういえばィ┣ 一φ力ラテさんも風邪気味だと言っておりましたし、風邪が流行っているのかもしれません。皆さんも風邪には気を付けましょう。
【忘れ物】
今日気が付きましたが、弦が切れた時のために、アンプの横に予備の弦を数セットと、弦を巻く時に使うペグを回すやつ(名前不明)を置いていたのですけど、すっかり忘れて帰宅していました。
そういえば、会場に着いてリズム・Keyさんに「フィンガーイーズ(弦の滑りを良くするスプレー)持ってたら、貸してほしいんですが」と頼んだところ、持っていなくて、困っていたら、スタッフの人が「あ、そこのスピーカーの上にあるの使っていいよ」と言ってくれて、そこには2本置いてあったのですけど、あれももしかして他のバンドの忘れ物だったのかも。僕の弦も、他のバンドが困った時に使えばいいですね。目に見えないところで、持ちつ持たれつ、バンドの輪。
オシマイ。