夏休みの宿題というと、最後の日にまとめてやったものです。でも1日で終わらせるにはかなりの量があって僕には無理ですので、小学生の頃は、親戚のお姉さんに教えてもらいながら、1日で宿題をやっつけていきました。
図工の宿題もありますので、何かテキトーに作りました。箱にセロファンを貼り、サカナの絵を糸で吊した水族館やら、父のウイスキーの瓶や果物を並べて描いた芸術モドキの絵やら、何かの本に載っていた船の絵を、いかにもその場で見てきたように模写したりいたしました。
困ったのは、夏休みの天気を書き入れる時です。そんなの憶えておりません。だからこれもテキトーに書きました。幸いにも1度もバレませんでした。
今はネットで過去の天気がわかるそうで、夏休み最終日にまとめて宿題をやっつける人にとっては、とても良い時代になったなあと羨ましく思います。
1番手間がかかったのが、読書感想文です。これは読書をしないと書けません。しかし時間はありません。
かすかに憶えているのは、パラパラっと斜め読みをして、ああこの本はこの部分がおそらく山場なのだろうとアタリを付け、そこだけをじっくりと読み、あとはオチを確かめ、感想文を書いて提出した記憶があります。
確か小学校の低学年の頃だと思いますが、なんと僕はこのいい加減な読書感想文で、市から表彰されたのでした。
僕はボーッとしている子供でしたので、当時は賞をもらっても、深く考える事はありませんでしたが、これはまあいわゆる要領よく賞を取ったという事でしょう。
しかし、どこかにこんないい加減な読書感想文で賞を取ってしまった事に対する罪悪感というのはあったようで、物事を要領よく片づけるというのが苦手な人間になってしまいました(だから逆にクレージーキャッツの映画に惹かれるのだと自己分析しております)。
でも、その後も宿題がイヤでイヤで、相変わらず夏休みの最終日にヒイコラ言いながら宿題をやっつけるのは相変わらずでありました。