昨日、テレビで「蔵出しエンターテイメント ビッグショー/若さを誇らしく思う時に 西城秀樹」を見ました。1977年にNHKで放映された番組で、当時ヒデキはデビュー5年目の22歳だったそうです。
個人的に楽しみだったのは、作曲家の三木たかしさんの曲でありまして、番組でも三木さん作曲の「若き獅子たち」「ラスト・シーン」「君よ抱かれて熱くなれ」が歌われ、嬉しく思いました。
三木たかしさんというと、一般的には「津軽海峡冬景色」やテレサ・テンさんなど演歌系の作曲家のイメージが強いかもしれませんが、ヒデキの情熱的な作品や、伊藤咲子さんの「乙女のワルツ」や「きみ可愛いね」「いい娘に逢ったらドキッ」、ひらけポンキッキ「けんかのあとは」など、幅広い作風を持つ作曲家で、僕は大好きなのです(黛ジュンさんのお兄さまでもあります)。
ヒデキは僕が小中学生の頃に女子に絶大な人気がありましたが、僕も曲が好きでしたので、小学生の頃は結構シングル盤を買って聴いたものです。
特に1974年に発売された「薔薇の鎖」という曲が実にロックンロールでして、マイクスタンドを蹴り上げるアクションに衝撃を受け、放課後の掃除の時間に友達とモップをマイクスタンドに見立ててよく真似をいたしました。もちろんシングル盤も買いましたが、今から考えると、僕の初のロックンロール体験だったのかもしれません。
しかし放映当時のヒデキはまだ22歳だというのに、堂々としたステージングで感心いたしました。客席をまわりながらファンと一緒に歌ったり、叩き付けるような激しいアクションでシャウトする姿は、正にスターです。カッコイイし、キマります。
歌の途中で指揮者に合図をし、演奏の音量を下げさせて観客に歌わせるなど、この若さでなかなかできる事ではありません。
間奏の部分で、セリフを挟んだり、観客にメッセージを伝える部分も、クサい演出になりそうなところを、実に堂々とこなしていて、様になっていました。観客全員を楽しませようというパワーや情熱が溢れているステージで、いやはや、立派なものでした。
初期のシングル「青春に賭けよう」を歌っている姿を見られたのも嬉しかったです。この曲は当時は聴いた記憶がないのですが、大人になってからヒデキのCDを聴いて好きになりました。ちなみにこの曲の歌い出しでベースギターがコードを間違ったままレコードになってしまっているのが面白いです。
特に印象に残ったのは、最後に歌いきった時のアップの表情で、全身全霊を込めて歌いきったぞ!という気持ちが伝わってきました。観客はもちろん大熱狂。僕も思わず「キャー!ヒデキー!」と叫びそうになったほどです(いや本当に)。
改めて思いましたが、歌の表現力が実に素晴らしいです。シャウトだけではなく、ヒデキは力を抜いた歌い方も、とても上手です。ですから1曲の中で自由自在に表現できるという強みがあります。曲にも恵まれています。
ちなみに僕が1番好きなヒデキの曲は「
この愛のときめき」です。この曲は一般的には知られた曲なのかどうかはちょっとわかりませんが、当時シングルを買って何度も繰り返し聴いたのを憶えています。囁くような歌い方から一転して情熱的なサビが来るという構成で、アレンジもホーンセクションが特に最高で、70年代のソウル・ミュージックを彷彿とさせる名曲です。番組では歌われなかったのが実に残念です。
今から30年も前の映像でしたが、こういうのもっと見たいですねえ。どんどん放映して下さいませ。
関連文章です:
「
名曲の時間です/伊藤咲子、西城秀樹」