
昨日、両国国技館で行われた「高専ロボコン全国大会」を見てきました(公式サイトは
こちら)。
テレビでは第1回から見ておりまして、全国大会を両国国技館まで直接見に行くのは7回目でした。このブログに観戦記を書くのも今年で3度目です。テレビ放送の時には試合内容がバッサリとカットされてしまいますので、ロボコンを見に行くのは年に1度の楽しみであります。
会場は去年と同じく、2階席の上まで満員でした。
今年はロボコン20周年という事で、「風林火山ロボット騎馬戦」という、今までの大会で初となるロボット直接対決の競技が行われました。
今年は審査員席に芸能人などの姿はなく、その点ではスッキリしていた気もしますが、ロボコンでは毎年おなじみの城戸真亜子さんがいなかったのが残念でした。来年の復帰を望みます。
毎年オープニングの内容も違っておりまして、今年はアシモ君が、ゲストの中ノ森BANDに合わせてダンスを披露いたしました。

↑走って出てきて踊ったアシモ君
今年のルールをざっとご説明すると、それぞれのチームがロボットに5本の旗をセットし、それをお互いに抜き合い、制限時間3分の間に、旗がより多く残っていた方が勝ちで、ロボットは2台が合体しても良いという内容でした。
相手のロボットとの戦いになりますから、なかなか戦いのシミュレーションが難しかったと思います。
テレビ放映がまだですので勝ち負けの詳細は書きませんが、いくつか気に入ったロボットをご紹介いたします。
まず大分高専のロボットです。

↑倒れても
アームを使って、

↑起きあがる!
倒れてしまいますと、倒れたロボットの旗の数が無効になってしまいます。ですから、自力で起きあがれるロボットは有利になるのです。
デザインが良かったのが苫小牧高専のロボットです。

↑名前は「アンバランス」
鎧をつけたようなロボットが、馬に見立てたロボットと合体し、まるで刀を振り回すようにアームを動かすサレジオ高専の「二戦錬馬」にも会場が沸いていました。

↑武者ロボットが馬に乗る!
審査員から「ジュディ・オングのようだ」と言われた阿南高専の「PhoeniX(フェニックス)」も派手で印象に残りました。

↑ロボット界のジュディ・オング
驚いたのは、激しい試合のためか、ロボットから煙が出て発火してしまい、一時的に止められた試合があった事です。今年の試合の白熱ぶりを表すエピソードだと思います。
決勝戦は試合の結果、同点になってしまいました。引き分けの場合は審査員の判定で勝敗が決められるのですけれど、決勝という事で更に3分間の延長戦に突入するという息を呑む展開になりました。最初に1本でも相手の旗を取ったチームの勝ちという事で、優勝チームが決定しました。

↑優勝の瞬間、抱き合って喜んでいました
閉会式では、各賞に続いて、ロボコン大賞が発表されました。

↑ロボコン大賞発表の瞬間
ロボコン大賞は、勝敗に関係なく、最大に評価された最高の名誉でもあります。
昨日もロボコン大賞を受賞した生徒たちは泣いていました。僕の席の近くにいた応援団の人たちも受賞に驚き、とても喜んでいました。何度見てもロボコン受賞の瞬間は感動いたします。
いつものように規定の競技をクリアしていく方式と違い、どういうロボットと対戦するのか全くわからずに設計しなければいけないというのは、とても難い課題だったでしょうけれど、各校がそれぞれのアイディアを活かしたロボットを作っていていて、見ていて楽しかったです。
それから、以前のロボコンで良く見られた「トラブルでスタートできないロボット」が皆無でした。試合中に動かなくなってしまったロボットはいくつかありましたが、全く試合にならないという場面がなかったのは、各校の入念な調整などが上手く行ったからだと思います。
試合結果も、同点で審査員の判定になった試合はごくわずかで、子供でも勝敗がわかりやすく、白熱した試合で観客も盛り上がっていました。
試合前には、自分たちのチームだけでなく、相手のチームも同時に応援している応援団があって、その素晴らしい行動にも感動しました。これから自分たちの学校の試合が始まるというのに、その相手のチームまで応援するというのは、なかなかできる事ではありません。
残念だったのは、これはおそらく会場の多くの方々も感じた事だと思いますが、司会の女性アナウンサーのコメントやインタビューが最悪で、負けて悲しんでいる生徒たちに対して無神経極まりない言葉を投げかけていた事などに怒りと悲しみをおぼえました。
おそらく悪気はないのだと思われますが、負けて無念の生徒たちに対してひどすぎますし、思い出すだけではらわたが煮えくりかえるような暴言(あえて暴言と書きます)も吐いていました。
途中で間が持たなくなり、ロボコンには全く関係がない、実況の松本アナウンサーが紅白歌合戦の総合司会に選ばれたという話を振った時には、さすがに松本アナウンサーが真顔で「あのね、そういう話は手前味噌というんだよ。ここはロボコンの場で、紅白は関係ないの。いくら話に困ったからといって、何でもかんでも話題を取り込んで司会をしてしまうキミたちには、あとでたっぷりとお灸を据えますからね」という風に一喝していて、司会の2人はシュンとしていました。あまりにも酷い司会ぶりに、言わずにはいられなかったのでしょう。来年はきちんと司会ができるアナウンサーをお願いいたします。
楽しかったのは、僕の席の近くに優勝したチームと、ロボコン大賞を取ったチームの応援の人たちが座っていて、熱のこもった応援をしていて、その熱気が感じられた事です。どちらの応援団も大喜びしていて、そういう姿を見ると、こちらも嬉しい気持ちになります。
今年は時間が押してしまい、午後1時〜午後5時半の予定が、閉会式が終わってみると午後6時半頃になっていて、長い大会でしたけれど、ロボコンファンの僕には印象深い内容でした。
彼らが将来の日本の技術を担います。実に頼もしいです。また来年も、素晴らしいロボットで沸かせて下さい。
この模様は12月26日にNHK総合テレビで午後7時30分から、BS2では12月29日午後11時30分から放送される予定だそうです。その他にロボコン20周年の特番もあるようですので、興味のある方は要チェックです。
来年も見に行きたいと思っております。
ロボコン関係の文章です:
「
高専ロボコン2009全国大会を見てきました」
「
高専ロボコン2008全国大会を見てきました」
「
高専ロボコン2006全国大会を見てきました」
「
ロボコン」
「
高専ロボコン2005全国大会を見てきました」