
天才ギタリスト、スティーヴ・ヴァイ先生のライヴCDとDVDが発売されるというニュースを読んで狂喜乱舞したのが今年の1月。ところが発売予定だった2月にどちらも発売延期となり、とうとう両方とも「発売延期未定」になってしまいました(詳細は
こちら)。
理由はわかりませんが、前作のライヴDVD「ライヴ・アット・アストリア」も見まくっておりますので、実に残念です。完璧な作品しか発表しないヴァイ先生ですので、何かトラブルがあったのでしょうか。そもそも収録が行われたのかどうかも不明なのですが。
ヴァイ先生は「天才」「奇人」「変人」「変態」などと良く言われます。しかし非常に芸術性の高い音楽で、変化自在の自由奔放な作曲技術と、人間の会話までも楽譜にしてしまう優れた採譜能力、そして豊かな表現力と高度な演奏技術を持つ、地上に降りた音楽の神様のような人でありますので、僕は心から尊敬しています。
ライヴDVDを見ると、観客を楽しませるためのパフォーマンスも良く考えていて、様々な演出の工夫をしています。ギターのインストゥルメンタルで2時間以上ものステージを飽きさせず、熱狂させる様子は感動的ですらあります。
とても常人では弾けないようなフレーズでも、ニコニコ笑いながらサラッと弾いてしまうのも実にカッコイイ。
下の動画では、ヴァイ先生がトリプルネックのギターを弾いています。
「
Steve Vai I Know You're Here」
上が12弦、真ん中が6弦、下がフレットレスの6弦ギターで、12弦ギターにはピッチシフターを通しています。フレットレスにはサスティナー機能が付いているようです。途中からはリアルタイムでフレーズサンプリングというかロングディレイのサウンド・オン・サウンド状態にしてギターを弾いていて、最後の方ではもう1人のギタリストと「二人羽織」までやっています。ベースはビリー・シーンで、キーボードとギターはトニー・マカパイン。実に素晴らしい。
そんなヴァイ先生のライヴCDとDVDを楽しみにしていただけに、今回の発売延期未定という発表にはガックリと力が抜けてしまいました。どうかぜひ発売してほしいものです。
今日の画像は2年前に発売されたアルバム「リアル・イリュージョンズ」です。壮大なコンセプト・アルバム三部作の第一作目という事で、もう信じられないほどのレベルの音楽です。緻密な作品ゆえ、高級なオーディオや高性能のヘッドフォンでないと全貌が掴めないほどで、難解とも言えますが、本当に素晴らしい芸術的な完成度で、何度聴いても引き込まれてしまいます。続編が楽しみです。
関連文章です:
「
スティーヴ・ヴァイ先生のお話」
「
愛しのばぶ・ばぶ・ファイヤー/スティーヴ・ヴァイ」