昨日、もう誰も弾く人がいなくなったので実家のピアノとエレクトーンを父が処分したそうです。
ピアノは僕が生まれた時に買ったヤマハのアップライトで、もう42年前の物です。エレクトーンは74年頃に買った当時の最高級機でした。
でももうピアノは長年に渡り調律もしておらず、キズも多くあり、エレクトーンも今のようにシンセサイザーではなく豪華なオルガンという感じで、どちらもボロでした。
僕は中学3年生まで習いましたが、かなり渋々習っていました。男子がピアノやエレクトーンを弾くのは、とてもカッコ悪いとも思っておりました。
まあ、それもYMOが出てきてカッコ良くなっちゃったのですけどね。
僕の場合は先生と合わなかったようで、全然演奏の楽しさというのを実感できませんでした。1度、先生の都合が悪くなったというので別の先生に習った事があって、その先生の教え方が本当に上手で驚いた事があります。
お手本も弾いてくれるし、手拍子をしながら「もっとそこは弾むように!」とか「そう!上手に弾けましたね!」と言いながら教えてくれるので、その時は弾いていてとても楽しかったのです。
毎週こういう先生に習いたいなあと思ったのですが、次の週はいつもの先生に戻り「はい、じゃあ弾いてみて」と言われるだけの退屈なレッスンに逆戻りでした。
それからイヤで仕方がなかったのが「発表会」です。男子もキレイな格好をさせられます。女子は嬉しいのかもしれませんが、僕はもうこれがイヤでイヤで大の苦手でした。ろくに練習なんかしませんから下手くそでしたしね。
でも小学校6年生ぐらいから洋楽を聴き始めると、海外の人は男子でもピアノを弾きながら歌ってるではありませんか。ポール・マッカートニーとかね。それで、ああこういうピアノならカッコイイなと思って、初めて自分からロックやポップスのピアノの練習をするようになりました。
うちにあったエレクトーンは面白い機能が付いていて、一体型なのに回転スピーカーが装備されているし、押さえた鍵盤を指で左右にふるわせると、ちゃんとその速度でビブラートがかかりました(この機能は非常に素晴らしいので、ぜひ多くのシンセサイザーなどに取り入れてほしいものです)。
今回は、ボロボロのピアノには2万円の値が付きましたが、エレクトーンの処分代も2万円請求されましたので、プラスマイナス0円というトホホな結果になったそうです。
最後に、習っていた頃の楽譜が出てきましたので、先生が僕の楽譜の余白に書いた恐ろしいメッセージを。
「9月7日に発表会があります」
僕はホコテンとか街中でのストリートライヴは数え切れないほどやっておりますし、人前で演奏するのは楽しくて大好きで、色んなバンドでピアノもずいぶん弾いて来ましたが、独特の雰囲気の「発表会」だけはどうも苦手です。