
僕が初めてパソコンを買ったのは1981年の春でした。
NEC PC-8001という機種で、徹夜してゲームのプログラムを打ち込んだり、後年発売されたアムデックという会社のサウンドユニットを接続して音楽を打ち込んだりしておりました。
いわゆるパソコン少年でもあり、学校が休みの日にはお茶の水に行って楽器屋とレコード屋を巡り、そのまま歩いて秋葉原まで行ってまた楽器屋やパソコンショップを見るのも楽しみでありました。
23年前の1月24日(つまり今日と同じ月日)、Apple(アップル)という会社からMacintosh(マッキントッシュ)というパソコンが発表されました。
いやもうこのパソコンにはビックリしました。話によるとほとんどマウスで使えちゃうそうで(PC-8001にはマウスはありませんでした)、しかもアイコンというのが画面にあって、それを開いたりズズズッと移動させたりするとか、絵も簡単に描けるとか。なんじゃこりゃ。
なんだかすごいすごい、革命だ革命だと世間(と言ってもパソコンの雑誌など)も騒ぐので、僕もしばらくしてからパソコンショップに見に行きました。
お店には、ちっこくて角張ったパソコンがありました。
ありゃ、本当に画面が白黒だわ。カラーじゃないんだなあ。ディスプレイも小さいし、変わったパソコンだなあ。しかしなんじゃこの値段は。
Macを見て、僕はそう思いました。
その時は触れませんでしたので、どこがいいのかサッパリわからずに帰りました。もし欲しくなっても、僕には買えるような値段ではありませんでしたしね。
そのうち音楽界の方からMacの名前が聞こえて来るようになりました。ミュージシャンのインタビューを読んでも、キーボードの雑誌を読んでも、そこにはMacの文字や広告が載り、そのうちMac講座が連載されるようになりました。
僕の周りでも、Macを買って打ち込みを始める音楽仲間が増えてきました。色々な友達の作品を聴かせてもらうと、ドラムなんか本物みたいで「これどうやったの?」と聞くと「Macで打ち込んだ」という答えが返ってくるようになりました。
僕は音楽用のシーケンサーやドラムマシンで打ち込みをしていましたが、当時のそれらの機材ではとても出せないニュアンスに魅力を感じました。
しかし僕は貧乏でしたので、高価なMacを手に入れるなど無理な事でした。いいなあ、羨ましいなあと思いつつ、持っている機材で間に合わせていました。
やっとMacを手に入れたのは10年前の1997年です。OSが漢字Talkの頃はしょっちゅう爆弾マークが出てシステムが止まりました。インターネットもできる世の中になっていましたので、僕もプロバイダに入りました。
で、僕は今Macに音楽を打ち込んでいるのかというと、そうではありません。最初はやってみたのですが、どうも僕は色んな機材を使い分けながら音楽を作る方が楽しめるようです。その後、プロ用の音楽専用シーケンサーを新たに買って愛用しております(
ヤマハQY700)。
ちなみに1984年当時、Macintosh128kの値段は59万8千円、その後発売されたMacintosh512kは79万8千円でした。高かったなあ。
こんなにパソコンが普及するなんて、想像もできませんでした。