
スージー・クアトロが「バック・トゥ・ザ・ドライヴ」という新作を発表するそうです(記事は
こちら、公式サイトは
こちら)。
スージー・クアトロは、僕のように40代以上の人には強烈に印象に残っているのではないでしょうか。アメリカ人なのに母国よりもイギリスと日本で異常に人気が出て、可愛い顔なのにベースギターを抱え胸をはだけたツナギの革ジャンを着て、エネルギッシュなロックンロールでシャウトするギャップが凄かった人です。なんたって日本盤に付けられたタイトルが「サディスティック・ロックの女王」ですからね!
1977年ぐらいには日本のテレビCMにも出演していました。ベースを弾きながらシャウトするシーンもあって、僕も「可愛いのに何なんだこの人は!」と、とても驚きました。「サケロック、大関」というセリフも印象に残っています。
スージー・クアトロは親日家としても有名で、日本で結婚式を挙げて大変な話題になりました。どのぐらい凄かったかというと、ロックに興味のない僕のおばさんでも知っているほどでした。当時はビートルズの誰かの奥さんが日本人らしい、という事よりも、スージー・クアトロが日本で結婚式を挙げたという方が、お茶の間では知られていました。
この頃、僕は中学生でしたが、やっぱり学校にもスージー・クアトロのファンは何人かいました。そして僕ももちろんファンでした。こんなに可愛い顔なのに「ベースギターのサウンドがアタイの股間に響くのヨ」なんて事を言うので、もうそりゃイチコロだったわけです。
中学生ではあんまりLPレコードを買えません。LPは高価でしたからね。僕が選んで買ったのは、当時のライヴ盤でした。これは日本だけで発売された2枚組LPで、日本公演の模様を収録したアルバムです。まだスージー・クアトロのベスト盤は発売されていませんでしたので、ヒット曲が満載のライヴ盤の選曲は魅力的だったのです。
で、僕がこのライヴを聴いてどうだったのかというと、大きな声では言えませんが、ちょっとガッカリしちゃったんですね。ラジオで聴いていた歌声やサウンドとかなり印象が違ったのです。
今ならスージー・クアトロのスタジオ録音のサウンドは、スタジオで作り込まれた音だというのがわかります。迫力を出すためにリミターをいっぱい使って、スージーの歌声にもショートディレイがかけてあります。ライヴではそのスタジオ盤との違和感があり、またスージーの歌の音程があまり良くなくて「あれ?」と思ってしまったのです。
大人になった今ではそういうライヴの荒さも楽しめますが、当時僕は中学生でしたので、聴いちゃいけない物を聴いてしまったような気になってしまったのです。それがきっかけになったのか、僕のファン歴はここで一旦おしまいになりました。何ともったいない。その後は男性とデュエットをしてヒットを飛ばし、僕も「いい曲だなあ」と思いましたがレコードは買いませんでした。
それからしばらくして「ビートたけしのお笑いウルトラクイズ」という番組のエンディングでスージー・クアトロの歌声を聴きました。おお〜「ワイルド・ワン」カッコイイ!そんな感じで、また聴きたいなあと思うようになりました。
今日の画像は20曲入りで1,200円という素晴らしいベスト盤「グレイテスト・ヒッツ」のCDです(
こちらで買えます)。
これが実に良くて、しょっちゅう聴いています。これを中学時代の僕に聴かせたかったなあ。ベタなブギだったりパブロックっぽかったりちょっとグラムだったりしますが、それがたまらない。可愛いのにカッコイイ。某テーマパークの某アトラクションで聴ける曲のカヴァーも入っています(鳥が歌うやつです。アレンジは全然違いますが)。当時の映像見たいなあ。何かブートがあったらそのうち買ってみよう。
僕が中学生の頃に買った日本公演のライヴ盤は、未CD化のようです。新譜は日本盤でも出るそうですが、悲しい事にCDではなくCCCDですのでご注意下さい。
スージー・クアトロ関係の他の文章です:
「
レザー・フォーエヴァー・ザ・ワイルド・ワン・ライヴ!/スージー・クアトロ」