
年上の友達からいただいたクリスマス・プレゼントです。送られてきた郵便物の封を開けてビックリ仰天!僕が長年探し求めていた、ジャクソン5のアルバム「イン・ジャパン!」のCDが入っていたのです!
僕がこのアルバムを知ったのは20年ぐらい前でしょうか。バンド仲間が古本屋で1973年の音楽雑誌を買って持って来たんですね。聞いた事もない雑誌の名前でしたので、すぐに廃刊になったようです。ミック・ジャガーのイラストが表紙でした。読んでみると、その雑誌の最新ディスク・レビュー・コーナーにこのジャクソン5の日本公演のライヴ盤が載っていました。
その頃は(今もかもしれませんが)モータウン関係の詳細なディスコグラフィーが全くなく、僕はこの雑誌で初めてこのアルバムの存在を知りました。ジャクソン5がライヴ盤を出していたのも知りませんでしたし、しかもそれが日本公演というのも知りませんでした(僕は「GOIN'BACK TO INDIANA」というライヴっぽいLPは持っていましたが、これは企画盤でした)。日本公演のLPが発売されていたのを知り、非常にショックを受けました。
それから僕はこのアルバムをずーっと探していました。何年か前にオークションにこのLPが出品されたのですが、高価で手が出ませんでした。でもその後も見つからず「高かったけど買っておけば良かった」と後悔したものです。
去年、限定盤で発売されたらしいと知りましたが、入手方法がわからず、そのままになっていました。限定盤ならもう売り切れているんだろうなあ…とも思いました。
そのアルバムが、僕の目の前に突然現れたのです。もう呆然としました。お礼のついでに聞いてみると、僕がこのアルバムを探していたというのは知らなかったとの事でした。ただ僕がジャクソン5のファンだというので、プレゼントにしてくれたそうです。もうそりゃ大感激です。入手は
このサイトからというのも教えていただきました(僕はこのサイトも知りませんでした)。本当にもうただただ感謝感激雨霰です。
このアルバムは5000枚の限定盤で、シリアル番号には0792/5000と入っています。紙ジャケット復刻CDで、当時のライナーもそのまま再現されています。日本だけの発売でしたので、もちろん日本語です。このアルバムは1973年4月30日に大阪厚生年金ホールで録音されたものです。アルバムで言うと「SKYWRYTER」の前です。レコーディングは終了していたそうで、それなら「ハレルヤ・デイ」なんかも聴きたかったなあ(発売前なので無理ですが)。
マイケルは当時14歳で、変声期に悩まされている時期でした。ライナーには「キーを下げて欲しいというマイケルの要望は却下された」というような事が書いてあります。そのため曲によってはかなり辛そうです。しかし歌い回しを変えたりしながら何とか乗り切ろうとしています。
面白いのは「GOT TO BE THERE」「BEN(ベンのテーマ)」「I WANNA BE WHERE YOU ARE」などマイケルのソロ曲や、ジャーメインのソロ「DADDY'S HOME」が歌われている事です。「I WANNA BE WHERE YOU ARE」では印象的な高音部は歌われず、かなり音程を下げたフレーズに変更されています(これは声変わりのせいでしょうね)。
収録曲以外にもジャクソン5の大ヒット曲はあるのにも関わらず、複数のソロ曲が選ばれているというのが興味深いです(おそらく各ソロの宣伝の意味を含めモータウン側からの指示もあったと思われます)。
他にテンプテーションズの「パパ・ウォズ・ア・ローリング・ストーン」や、スティーヴィー・ワンダーの「迷信(SUPERSTATION)」のカヴァーも披露されています(この翌年、ジャクソン5はスティーヴィー・ワンダーの「悪夢(YOU HAVEN'T DONE NOTHIN')」にコーラスで参加します)。
それからこのアルバムを聴いて気が付くのは、バックの演奏がとてつもなく上手いという事です。わずかに確認できる写真を見ると、ジャクソン5のロゴが入ったバスドラムのヘッドが写っていますので、バックバンドも連れてきているのでしょう。もう30年以上前のアルバムですので、もちろんプレイヤーのクレジットはありません。
音からするとドラム、キーボード(ホーナー・クラヴィネット&エレピ、ハモンド・オルガン)、パーカッションのランディ、それにギターとベースの5人編成です。たまにキーボードが聴こえる右チャンネルからワウワウを使ったギターに似た音が出ていますが、これはクラヴィネットだと思われます。ギターはメンバーのティト・ジャクソン(白いフェンダー・テレキャスター)、ベースはジャーメイン・ジャクソン(フェンダー・ジャズベース)。ジャーメインはハイワットのアンプにカールコード!カッコイイ!
しかしジャーメインはレコードではプレイしていないし、テレビでも演奏して音を出しているとは思えません。テレビではベースは明かに別の人がプレイしています(踊ってベースを弾いていない時も音が出ています。弾いてる時もあったのかもしれませんが僕は未確認です)。再結成の「モータウン25」でも弾いていませんでした。
このライヴでは、ギターは音からしてもテレキャスターですし、これはティトが弾いているのでしょう(スタジオではワウワウ・ワトソンなどが演奏しています)。そして、このライヴでベースを弾いているのはジャーメイン・ジャクソンだと信じたいです。「ジャーメインでもこのぐらい弾けるんだぜ!」と思いたいのです。テレビ出演の時のようにステージの裏に別のベーシストがいて弾いてるとは考えたくありません。このベース本当に上手いし。
「BEN」ではアコースティック・ギターの音がしますが、裏ジャケットで確認できるティトの後ろにあるアコースティック・ギターを弾いているんでしょうね(ヘッドからするとフェンダーのように思います)。
かなりのグルーヴ感があり、少人数ながら非常にソウルフルでカッコイイ演奏です。このバンドの演奏だけでも聴く価値があります。
早速iPodに入れたいと思います。やっぱりジャクソン5は最高だあ!プレゼントありがとうございました。大事にします。
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