
仙台に来ると必ず食べるのが、この「
オランダせんべい」です。
オランダせんべいは仙台ならコンビニでもスーパーでも当たり前に売っています。子供の頃は近所のお菓子屋さんでいつも買っていました。だから全国区のお菓子だと思っていたら、東北限定発売のお菓子でした。僕は高校から上京しましたが、東京ではオランダせんべいが食べられず、高校時代はとても寂しい思いをしました。
簡単に言うと、薄くてパリパリした食感のサラダせんべいです。材料はお米と塩だけで、塩味は他のサラダせんべいと比べるとしょっぱめです。でもそれが美味しくて、あっという間に食べてしまいます。
袋にはオランダの風車と、オランダの女の子がイラストで描かれていますが、オランダとは無関係らしいです。山形では「おらだ」というのは「私たちの」という意味の方言だそうで「私たちのせんべい」という意味の「おらだのせんべい」から「オランダせんべい」と命名されたそうです。
以前、テレビで東北出身のタレントさんが「東北にはオランダせんべいというもの凄く美味しいお菓子があるんだ!」と力説し、実際に皆に食べさせて「美味しいだろ?な?」と言っているのを見ました。正直言って、それを見てちょっと違和感を感じました。
オランダせんべいはごく当たり前の存在で、あって当たり前ですので、わざわざ全国の人に誇るような事ではないように思ったのです。「東北にはオランダせんべいという美味しいお菓子があるぞ!」と声高に言わなくても、もうすでに人々の間に根付いたお菓子なので、オランダせんべいで威張らなくてもいいんじゃないかと思いました。
それに東北の人々は濃い味を好む傾向があるので、他の地域の人が食べるとしょっぱいと思います。でもこのしょっぱさが美味しいので、やはり東北で食べるオランダせんべいだからこそいいんじゃないかなと思います。
お菓子の世界には、激辛の物は多いですが、とてもしょっぱいお菓子はほとんどありません。塩分を取りすぎるのは健康に良くないという減塩ブームも影響しているのでしょう。他のメーカーのサラダせんべいよりもしょっぱめのオランダせんべいは、全国的に見たら少し時代遅れなのかもしれません。
でもこのしょっぱさこそがオランダせんべいの良さなのです。僕は仙台に来ると「しょっぱいな〜」と思いながら喜んでオランダせんべいを食べます。「美味しいなあ〜」と思います。
全国区でメジャーにならなくてもいいから、これからも変わらない味のオランダせんべいでいて欲しいです。僕にとって、オランダせんべいは故郷の味です。
※ たまに塩気の少ない、あまりしょっぱくないオランダせんべいが混ざっている事があります。僕はそれを「ハズレ」と呼んでいます。