
高校時代に買っていた「カセットライフ」という月刊誌が出てきました。表紙にはイタズラ書きがしてあって、アイドルだと思われますが誰なのか判別できません。ちなみに中学〜高校の僕の教科書の人物写真には全部こんな落書きをしていました。
名前の通りカセットの記事で埋め尽くされている雑誌です。一番力を入れているのが「FMエアチェック」です。屋外アンテナを建てる特集があったり、読者がどんなエアチェックをしているのか紹介していたりします。
僕も70年代はオープンリールのデッキを使ってFM放送を録音したりしていましたが、オープンテープは高いしデッキの操作は面倒だし…というのでカセットを多用するようになりました。今でこそMDだCD-RだiPodだと選択肢が多くなりましたけど、当時はカセットしかなかったと言えるでしょう。
レコードも高価でしたので、多くの人がエアチェックをしていました。この雑誌にも「エアチェックのノイズ対策」「エアチェックの録音レベル設定テクニック」「アンテナの種類」など、できるだけ良い音でFM放送を録音しよう!という内容が中心です。
アーティストの紹介記事やニュースも載っていますが、今から考えると実に信じられないほどの低レベル記事で驚愕します。何たって坂本龍一のニュースでは「今度は“戦場のメリークリスマス”という映画で俳優デビュー」という記事があるのですが、坂本龍一の写真の下に書いてあるコメントが「今度はキヨシローの引き立て役じゃございませんョ」ですよ!
他にも国内外の音楽家のニュースの写真に付けられたコメントを読むと呆れてしまいます。大貫妙子さんの写真の下には「花よりダンゴ鼻(大貫さんはダンゴ鼻じゃないぞ)」、ビリー・スクワイアの写真の上には「ボ、ボク、クィーンと共演できるなんて、夢を見てるようですぅー」、クラッシュの記事では「俺たちだって傷つき易いんだー、お手柔らかに頼むゼー(←ジャガーさんみたい)、ジュリアン・レノンの記事ではジョンとヨーコの写真の下に「(ヨ)あなたもやっかいなモノ、残してくれたわね!」ですよ。まあ他の記事が真面目なだけに、このコーナーのひどさが目立ちます。
カセットの最新ニュースを紹介する「カセットピックス」というコーナーで、ものスゴイ発明品(?)を見つけました。
↓「水中でカセットが聴ける“ウォーター・サウンド”」です!

何と、完全防水のケースにカセットプレイヤーとヘッドフォンを入れ、プールや海やお風呂で音楽が聴けてしまうのです!西ドイツのメーカーが作った商品で、ちゃんと輸入元があって日本でも売られていたようです。値段は6,800円。
「ついに水中でも音楽が聴ける時代がやってきたのです!!」と紹介文には書いてあります。しかし僕は今までこのウォーターサウンドを使って水中で音楽を聴いている人を見た事がありません。
この商品、何人の人が買って、実際に使ったのでしょうか?