「大ピンチの引っ越し日記(驚愕のどんでん返し編)」
息抜き 色んな話
一昨日、昨日に続き、引っ越しのお話です。
ここ数日、色々な引っ越し業者に見積もりをしてもらっていたのですが、今日はもう決めなくちゃなあという事で、午前中から複数の業者と電話で交渉しておりました。
ネットの見積もりの金額よりも、1万3〜4千円高くなった業者があったのですけど、なんだか対応も良さそうだしここにしようかなと思い、電話でよく話を聞いてみたところ、なんと段ボールを用意してもらうには別にお金がかかるそうで、そうすると思っていた費用よりもかなり割高になってしまうので契約寸前で取りやめました。
でもまあ親切に色々と答えてくれましたので、心からのお礼を言い、別の業者を当たる事にしました。
まずはきちんと段ボールをサービスしてくれる業者を探し、いくつか電話をしてみたのですけれど、今月は9月という事で、しかも月末はどこの業者も忙しい時期なのだそうです。9月末に引っ越しをする人は、とても多いらしいのです。
そういうわけで、良さそうな業者はどこも「すみませんが、9月29日はトラックが全部で出払って空きがないのです。30日なら若干の空きがあるのですが」という答えでした。いや、僕も30日に部屋を明け渡す契約で、30日に引っ越しでは、引っ越し後の不要品の回収や掃除ができませんから、僕も都合が悪いのです、と説明し、契約に至らぬまま、次々と業者を当たりました。
そのうち、テレビでCMを見た事がある業者に電話をして、何度目かの「まず最初にお訊きしたいのですけど、9月29日に引っ越しをお願いするのは可能でしょうか?」という問いをしたところ「大丈夫です」という事で、大雑把ですが電話での見積もりをしていただきました。
そうしたら、格安の業者の見積もりよりは数千円高いものの、先ほど契約寸前までいった業者より約1万円も安く、段ボールの事もお訊きしたところ「全部こちらで用意してお届けいたします」というので、その業者に決めました。
しかし、ここからが波乱の幕開けだったのです。
とても感じの良い女性が電話対応をして下さっておりましたが、お話している途中で「あ…申し訳ありませんが少々お待ちいただけますか?」と言うのです。
しばらくして再び電話がつながると「申し訳ありませんが、上の者の指示で、このお値段にするかどうかは、実際にレコードの量を見せてもらってからにしてほしいという事だそうなのですが…」と申し訳なさそうに言うではありませんか。
良く話を聞いてみると、どうやら「このレコードの量では、トラックに積みきれない可能性がある。その時はもっと大きなトラックに変更しなければいけないし、その分、料金を上げなくてはいけない」という事なのでした。
僕よりもレコードを所有している人など世の中にゴマンといますが、それでもこの量では単身のシングルプラン用のトラックでは積みきれないのではないか、と判断されたようです。
僕は料金が上がる事を心配し「例えば部屋での見積もりで、何万円も値段が上がるという可能性もあるのですか?」と訊くと「非常に値段が上がる事はおそらくないと思いますが、何とも言えないですねえ…」と、実に申し訳なさそうに言われました。これは上司の指示ですので、電話応対の人はそう言うしかありません。
もし、部屋での見積もりをしてもらい、値段が何万円も上がるというので契約をしなかった場合、9月の混雑時期にまた別の業者を頼んで引っ越しをする事はほぼ不可能になってしまうでしょう。なんといっても、もう今日は9月25日で、引っ越し予定日が29日なのです。時間がありません。
例え少々値段が上がっても、もう頼むしかないよなあ、応対も丁寧だし、と思い「それでは少し値段が上がってもよろしいです。契約していただきたいのですが」と告げ、細かい部分まで打ち合わせをし、決定という事になりました。
決まった事で僕はホッといたしましたが、その10分後ぐらいにかかってきた電話の内容を聞いた時、目の前が真っ暗になりました。
とんでもない大どんでん返しが待っていたのです。
今度はどうやら上の人らしい男性からです。
なんと「せっかくご契約いただいたのですけど、こちらの不手際で同じ頃に見積もりをしていた他のお客様が、KENNY様よりもわずかに早くご契約が成立している事がわかり、ご用意できるトラックがなくなってしまいました」という内容だったのです。
コンピューター上で最後の枠の契約データがダブってしまい、少しの差で違う人の契約が決定してしまったという事でした。
9月末は引っ越しの多い時期なので、もう他の業者との契約も難しいと思われますから、引っ越しの日を30日、または10月に入ってからにしてはどうでしょうか、という事を言われました。
いやしかし、僕はもう9月30日で明け渡すという契約をしているので、と説明し、色々と話をしたところ「9月末はどこも混むので引っ越しの値段もお高いですし、これから他の業者を探すのも難しいでしょうけど、不動産の人ならその点を理解していますし、1日か2日、家賃を日払いにしてもらって、10月の安い値段で引っ越しをした方が、結果的に安くすむかもしれません」との事でした。
こういう話になると、この時点で「なんとかしろ!」と怒る人もいるかもしれませんが、この男性も必死だったせいか、ここには書けない業者の裏話を色々と聞かせてくれまして、それが非常に面白いというか、僕には興味深い話でありまして、実際問題として、準備が進んでいない僕が29日に引っ越しをするというのはかなり難しいよなあと思い始めていたところでしたし、取りあえず「予定を延ばして家賃を日払いにすると予定外の出費になりますし、10月は安くなるのでしたら、見積もりでも少しお安くしていただけるのですか?」と特に期待はせずに一応は大人っぽい交渉をしてみると、またそれに関する裏話を聞かせてくれて「お部屋での見積もり前ですので何とも言えませんが、こちらのミスですから配慮はさせていただきます」という事で「それでは大家さんと不動産屋さんに聞いてみて、改めて電話いたします」と言って電話を切りました。
すぐに大家さんのところに行って事情をお話すると「あらまあ、大変でしたわね。2日間ぐらいでしたらお家賃はいただかなくて結構ですから、それでお決めになられたらどうですか?」と言って下さいました。本当にいい大家さんです。
そういうわけで、日にちをずらしまして、10月1日に引っ越しをするという契約になりました。
段ボールは明日届きまして、部屋での見積もり(レコードを見せる)は、9月30日に決定です。
電話をかけ直し「大家さんの了解を得ましたので、10月1日でお願いいたします」と言ったところ、業者の男性もホッとしたようで、何度も謝罪とお礼を言われました。
最後に「今回、こういう事になっても契約しようと思ったのは、電話で対応して下さった○○さんが、とても親切にして下さったからですので、どうか○○さんに、色々と無理やお願いを聞いて下さってありがとうございました、契約する事にいたしましたとお伝えいただけますか?」と言ったところ「ハイ!わかりました!○○にはシッカリ、シッカリと伝えておきます!」と力強く答えていたのが、なんだかほのぼのと面白かったです。
きっと担当の女性には、シッカリと僕の伝言が伝わった事だろうと思います。
ちなみに値引きの期待は全くしておりませんが、見積もりより金額が上がらなければいいなとは思っております。
電話を切ったら、いつの間にか夕方になっておりました。
ああ…今日も荷造りができなかった…。
〜続く〜