1冊だけ読んで理解出来る訳ないじゃん!(笑)三国志読んだこと無い上に、ゲームも普段全くやらないボクにとっては、二重に難しいブームだね?って発言したらそんな解釈になっちゃうんかい。トホホ。
そうね〜、でも確かに本は読まない。人生振り返ってみても怖ろしいぐらい本って読んでいない。そういう意味では、ボクは明らかに”馬鹿”の部類に入るんだよな〜。頭の良い人で本を読まない人って居ないものね。
で、本題の「猪突するココロ」ですが。実は、笹峯あいちゃんを初めて意識して見たのは、王様のブランチではなく、ドラマでした。8年前の朝ドラ「あぐり」での演技力を見て、こんな巧い子がいるんだ〜って感心したのが始まりです。その後、時代劇数本を経て、「はぐれ刑事純情派」などでも活躍。この子は良いドラマ女優に成長するぞ〜って期待してた矢先、急にドラマ業界からは離れてしまい、ここ最近はすっかり舞台女優として小劇場などで芝居の活動に専念。そしてついには、自作・演出・出演まで手掛けると言う入れ込み様・・・。本当に舞台が、お芝居が、好きなんだな〜って事が伝わってきます。
今回の舞台は、ワンシチュエーションで、少人数(ボクの好きな設定)。内容を簡単に説明すると、一人の男に5股掛けられていた(後に6股だったと判る)女性たちが、一つの部屋に集まり、あれやこれやと過去の話しを打ち明けたり、意見を衝突させたり、仲良くなったりするミニ群像劇。
年齢も職業も性格もバラバラな5人の女性を集めた設定は、在り来たりの様でいて、なかなか悪くないです。キャスティングの妙も手伝って上手くバランスの取れた創りが成されてたと思いました。初の作品としては、これだけでもう満点をあげたい位です。
あとは、ディテールの問題。個人的に気になったのは、冒頭で、1人の女将が部屋に入ってくる場面から、段々部屋に女性が増えていく過程が、多少モタついた印象を受けた所。とにかく暗転が多く、音楽がウルサイのも気になった点でした。
例えば、暗転して、明るくなった時点で女性が2人増えている。玄関に近い所に立つ女性(笹峯あい)に散々話し掛けてから、部屋の奥にいる女の子に「で、あなたは一体誰?」と初めて話し掛ける。部屋の奥に居るってことは、玄関を開けて部屋に入りトコトコトコ・・・の間に、絶対誰かと会話を交わしてるはずなのに、それを無かったことにしてしまう。ドラマでもよく使われる手ではあるけど、そういう時間軸が微妙に噛み合わない部分が、所々気になってしまいます。そういう面も含めて、舞台というよりも、イメージ・フィルムを見てる様な気分になったのかもしれません。
終演後、笹峰あいちゃんに色々とお話しを訊いたのですが、真っ先に「これが今の私の精一杯です」と言われてしまったので、気になった点などを話すことが出来ませんでした(笑)。本人曰く、台本は2日間で書き上げたとのこと。2日間ってそうとう早いですよ。考えてる時間が長かったのかと訊けば、そういう訳でもないそうです。まず、ストーリーの冒頭と、エンディングのイメージが先に思い浮かび、それを軸に、間を少しずつ埋めて大まかな柱を書いて行き、細かい流れを完成させて行った云々、と説明してくれました。それって、脚本の書き方としては、なかなか高等なテクニックですよ。笹峯さん(!)
頭からダラダラ書いて行って、その場しのぎの展開で最後は辻褄が合わず・・・なんて脚本が、映画やドラマの世界でも平気で横行している(又そういうのが流行っちゃう)現在で、笹峯あいちゃんの創作意欲と才能に、仄かな希望の光を見出したひと時でした。ちょっと粗削りな舞台ではあったけど、そこが良いのかもしれない。まだまだ可能性に満ちた彼女のこれからが、とても楽しみです。

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