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一昨年行ったベートーヴェンの生家
さて、今日はその2
お約束通り、来月映画公開にもなります、
『
羊と鋼の森』を取り上げます。
このヒット作品を私は一昨日やっと読みました。
ピアノ調律師がテーマの小説ということで注目していましたが、
私はなにごとにも、時期が過ぎてから読む癖があるようで、、、
まずは、読んだ感想から。
作家の方は、素人なのによく調べて書かれたものだと感心しました。
あ、その前に、
私はずz^^っと勘違いしていました。
この本、羊と鋼
と森
だと思っていたんです。
調律師である私が勘違いする理由はあるのですよ。
ピアノは羊と鋼と森でできているからです。
弦を叩くハンマーも、
その他いろんなところでフェルトが使われています。
それは
羊ですね。
鋼はその弦はもちろん、弦を巻くピン、弦の圧力を支えるための鉄骨。
グランドでもアップライトでも蓋を開けると金色に光っています。
で、
森ですが、これは言わずもがな鍵盤も共鳴版もたくさんの木を使っていますからね。
ところが、この小説の森とはそれではなく、
本当?の森だったのです。
それは読んだ方は当然解かってますので、ここでは書かないでおきます。
読み始めて、しばらくして自分で笑ってしまっていました。
小説を読むのは数十年ぶり?な私でしたが、
読み始めから作家の目で読んでいたのに気づきました。
(ほう、、、こういう始め方をするか、、、
ほう、、、こういう言葉を使うか、、、)
なんてね笑
あと、
調律のことがらで、これは違うな?!って感じることがいくつかあったのです。
しかし、作家の方は数人の調律師にいろいろ聞いて書いておられるし、
当然、書き終わってから確認もしてもらっているはず、、、
それで、私は、同じ現象が起きても調律師によって
その原因など、自身の体験によって
違う方面から観る場合もあるのだな、、、と。
そういえば、本に書いてある可能性もまったくないわけではないな、、、
と勉強にもなりました。
読み終わってしばらくしてから、
ふと気が付きました。
舞台は北海道でした。
これかな?!
って思いました。
北海道と本州ではまったく気候が違います。
温度湿度などね。
ピアノというものはこの二つに大変影響を受けますので、
本に書いてある内容は、北海道なら合点いくなと思いました。
作家の方がそこまで考えてはいないと思いますが、
この書き方は、一般的に考えると調律師さんも北海道の方なのかな??
と思ったりしました。
どんな分野でもそうですが、調律も奥が深く、
調律師とうものは、
調律だけできる人をそう呼びません。
それは調律屋と言われます。
調律、整調(調整のことをこの世界では逆に書く)、整音、修理。
この四つができて初めて調律師とよべるものです。
この小説では修理以外の三つを網羅してました。
すばらしいと思いました。
↓ この写真をみてください。
昨日の仕事で埼玉県の二年半ぶりのピアノの中です。
はい
カビだらけですね。
開けてびっくり、、、ですが、
テッシュをお借りして、ピンセットを使い、一つ一つカビを取りました。
湿気で出にくくなっている音もあり、6つ修理しました。
もちろん今後のアドヴァイスも。
北海道ではあまり起こらないことでしょうが、本州ではよくあることです。
私の出身の日本海側では
乾燥剤など薬を毎年交換していてもこうなるお家があります。
そういった場合、除湿器を付けるようにお願いしています。
この辺も、今回の北海道が舞台の本の内容とはちょっと違っていたかと思います。
まあ、これはマニアックな専門的? 現場の話ですので、
この本の重要なテーマ、
主人公の調律師として歩み始め、
人間として成長していく物語には関係のない事柄ですので♪
最後に、
調律師の耳、感性は本当に繊細なものです。
それをこの本ではよく書いてくださって、表現してくださっていました。
うれしかったです。
自分のことですが、
例えば、私はみなさんと行動を共にしていても
私にしか聞こえない音というものがあります。
もう30年ほど前のことですが、
ある調律師が新聞でこのようなことを書いていました。
自分は空気中の分子と分子がぶつかる音が聞こえると。
これ笑っちゃいますか?
実は、私も、よくこれを感じることがあるんです。
しかし、これって耳鳴り?? いや、自分は耳鳴りはないので、、、
では、これって、人間誰しも聴こえているの??
と未だによく分からないことです。
本当にそうなのか、単に当たり前のことなのか、、、
もっと次元を下げると、
40年前から毎日のようにあることですが、
お客さんの家で電話はもちろんお湯の湧く音、ネコの鳴く声などなど、、、、
その家のお客さんが聴こえないことを調律している最中の私がお客さんに教えてあげることは日常茶飯事です。
これをお年寄りだとしょうがありませんが、若い人が相手でも当たり前にあります。
ざわめいた居酒屋で私だけキッチンの音が聞こえるとか、、、
これは生まれつき持っていた耳なのか、調律師になってそうなったのかは分かりません。
とにかく、この本の中で、
読者の方も、これって大袈裟に書いているんじゃない?
小説だから、、、と思って読んでいる人もいると思いますが、
もちろん作家の方が、どこまで解って書いているかは分かりません。
小説だから夢を膨らませるように
想像で書いている部分もあるとは思いますが、
調律師の仕事というものは、限りがない音の探求の仕事であるということです。
長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
映画楽しみです☆彡
追記
本の中で一万回調律すると一人前になるっていうようなことが書いてあり、それは5年だとなっていましたが、
これは初耳でした。
私の頃は社会に出て10年たったらやっと一人前という言葉がありました。
半分になったんですね。笑
では、明日、下北沢でシリウス528ツアーwith Cュたつや
しっかり調律してみなさんも調律しますよ🎶
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