由美子は株主総会を迎えるにあたって、母のことを思い出していた。
由美子の母は、京阪神、岐阜、名古屋、静岡等全国展開している美容院
のオーナーだった。
由美子が母とともに暮らしていた実家は、京都の上高野という高級住宅地だった。
母はどういう気持ちで、経営者として、毎年、株主総会を乗り切っていたのだろう。
母の時代と違い、最近の株主総会は、決算書に環境報告書を添付しなければならなかったり、環境配慮、CSR、ステークホルダーとの関わり、環境リスク、社会リスクといったオペレーションリスク等のリスクマネジメント
もきちんと行っていないと、株主代表訴訟や消費者団体訴訟を起こされかねない。今は東京進出で、実家を離れ、東京六本木の高級マンション、
六本木レジデンスに住む母に色々、相談したい由美子だった。
しかし、由美子も、母も、多忙で、しかも、住む所も会社の経営拠点も遠く
離れていることから、家に帰って、自分のパソコンからテレビ会議システム
を起動させて、相談するしかない状況だ。
それも、いつできるかどうか、わからない。
とりあえず、母への感謝の気持ちのしるしとして、今年の母の日には、
六本木に住む母の縁で知り合った東京赤坂倫理法人会会員のフローリスト社の提供するブルガリ産のローズオイル、バラの花束、バラのワインの3点
セットを贈ろう、と心に決め、いよいよ、株主総会と接遇セミナーに臨む
由美子であった。

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