2008/1/1
「ちいさなチカラ あいとセリ」
「生きてゆく!」
現在進行中の猫と人の感動物語。
猫エイズ・猫白血病に感染している猫・あい
「生き辛さ」に苦しみながら毎日を過ごしている女性・セリ
二人の運命的な出会い、そしてあいが日々起こす「奇跡」。
あいとの暮らしでセリが受け取った大切な贈り物とは……

(冒頭より抜粋)

冷たい風の中、店頭のネオンライトだけが、競い合ってあたたかな光を放っていた。
夜というにはまだ早い時間。
ザッザッと行きかう人の群れと、耳をふさぎたくなるような大ボリュームの音楽の中を、セリは落ち着かない気持ちで歩き続ける。
久しぶりのアルバイトのあと、珍しく友人と食事の約束をしたセリは、普段ならめったに通らないこの場所に足を踏み入れた。
お店まであとわずか……ひときわ目立つ電飾の看板が目に飛び込んできたその時、ふと道の反対側に、新しい百円ショップができていることに気付いた。
いつもなら寄り道なんてしないのに、なぜだろう……その日セリの足は、何かに導かれるように道路を渡った。
「ニャー……ン」
突然、足元で消えそうなほど小さな「声」がした。
「えっ……?」
立ち止まり、辺りを見回す。
目線を下げると、薄汚れた自動販売機の隅に、小さな黒いかたまりが見えた。
「ニャー……ン」
「ふたり」の出会いは、こんなふうに訪れた。
(あとがきより抜粋)
「猫エイズ」と「猫白血病」の猫と暮らしていると話すと、
いつも決まって聞かれることがある。
「人間や他の動物にもうつるんじゃないの?」
「どうせすぐに死んじゃうんでしょ?」
私は、その答えを、これから何年もかけて、あいと一緒に伝え続けていきたいと思っている。
あいは、生きていく。

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