
ボローニア歌劇場

「カルメン」 びわ湖ホール 9/10 (正式プログラムより)
「カルメン」のオリジナルは1820年頃のスペインの話だが、今回の新演出は第二次大戦後のキューバが舞台である。
オペラ「カルメン」というと、もういいわ・・・というほどに何度か舞台に接している人でも、今回は楽しめたと思う。
あのドン・ホセは何と!闘牛士ではなくボクサーという設定だった。グローブをつけて現れたホセは、ちょっと滑稽な雰囲気を醸したけれど、歌詞も調整されて何とかストーリーを引っ張っていった。
カルメン役ニーノ・スルグラーゼは元女優だっただけに容姿端麗、声、歌ともにカルメンの当たり役。オペラの醍醐味を堪能させていただいた。カーテンコールでは思わず”ブラボゥ−!!!”を。あちらこちらからも飛んでいた。
公演の目玉だったテノール、ヨナス・カウフマンは欠場。代役はマルセロ・アルバレスだった。ポストドミンゴといわれるカウフマンは超イケメン、彼が日本に来るということでチケットを握りしめた人も多々あったと思われるが、多分、原発に関する理由によって出演をキャンセルしたものと思われる。正式理由は、胸部の手術のためとか何とか・・・。
とにかく、今回の2公演において、6人もの主だったキャストがキャンセルになった。
な・な・なんと!翌日の「清教徒」のテノール、フローレスは直前になってのキャンセルだった。
正直、フローレスの生の舞台が見られる、あのハイC(その上のファもOKだとか)が聴けると勇んでチケットを買ったのに!!!あぁぁぁぁ・・・
しかし、「カルメン」のテノールの代役だったマルセロ・アルバレスは絶好調だった。カウフマンと同等の代役とのことだったけれど、代役のほうがよかったかもしれない。
カルメンの舞台の上は、最初から終わりまで、おもちゃ箱を引っ繰り返したような様々な色彩の乱舞に、そこはかとないノスタルジーが加味され、これぞオペラ、これぞカルメンと思わずうなってしまう。これなら何度見てもいいのじゃないかな。

「清教徒」 びわ湖ホール 9/11 (正式プログラムより)
翌日の「清教徒」は、前日と打って変わってモノクロの世界の中に始まって、ダークな色彩のうちに終わった。
面白いことに、百花繚乱、色彩の洪水のなか、悲劇に終わったのは「カルメン」、一方「清教徒」は古典を遵守したダークグレィの舞台の上で、最後はめでたしめでたしのハッピィシーン。対照的な構成だった。
「清教徒」のストーリー展開が今一理解できないところがあって、???が解決しないまま終わってしまった、という難点はあるが、こちらも、あのフローレスの代役のセルソ・アルベロは出色の演技で楽しませてくれた。
でもねぇ、今後、フローレスに生でお目にかかることはないだろうなぁ・・・と、ため息が出るばかり。