前回は「『縦のピッチ×横のリズムをきっちり合わせる』ということで十分に上質な音楽になるよ」ということを話しました。
音楽はリズムとピッチのマトリックスになっていて、横のリズムと縦のピッチが交差するまさにその一点を如何に正確に演奏するか(歌うか)ということをせつめいしたのですが、なぜそもそもリズムとピッチのマトリックスを合わせると気持ちが良い音楽になるのでしょう?
そこで気になるのが『グルーブ』という言葉ですね。
僕はこれを『音楽のノリ』として解釈していますが。
先日ウチの自称へっぽこスタジオで、とあるカホンの生徒さんに「こうすればジャストになるよ」といって、ジャストで演奏出来るコツを伝授した時のこと。
もう一人弾き語りの生徒がいてギター&歌と、彼のカホンでアンサンブル(ノークリックで)をしてもらいました。
カホンの演奏内容をパソコンで調べてみると、リズムに対してきれいなジャストになっているのに、全体で聴くとぜんっぜんかっこわるい。
アップテンポの曲で疾走感のある曲だったんですが、なんか重くもたついた感がある。
弾き語りの彼は、歌がだいたいジャストになっていて、ギターがやや前ノリなカッティングだったので、ちょうど『ギター(早)→歌&カホン(ジャスト)』っていう感じで流れていってたんですね。
なのでギターが浮いて聞こえた訳ですね。で、カホン(リズム)が重くもたついて聞こえた訳です。
そこでカホンを前ノリで、ギターよりもちょっと早いかな!?ってくらい、ビミョーに突っ込んだ演奏にしてもらった。
そしたら『カホン(前)→ギター(ジャスト)→歌(後)』って具合に聞こえた。
そしたらなんとなく程よいグルーブが感じられたというか、いい感じの疾走感。
つまり、歌はゆったりしているのに、演奏は歯切れの良い前ノリな感じになっていた。
以前、ドラム+ベース+エレピの打ち込みで伴奏パートを作った時のこと、パソコンでの打込み作業だから、当然すべてにクォンタイズ(一個一個の音をすべて音符に正確に合わせる機能)をかけた。
ところが、ドラム+ベース+エレピのそれぞれの音の強さは様々にしておいた。つまりフレーズに応じた強弱がついた状態ですね。
当然ながら、強い音の時は強い音色が、弱い音の時には弱い音色が鳴るわけです。
そしたらどうでしょう。
聴いてみると自然なグルーブを感じるではないですか!
つまり、グルーブというものを考えた時には、
●音色
●他のパートとの前後差
●音量バランス
などでずいぶん感じ方が変わることがわかりました。
僕も含めて、グルーブがどうとか、ノリがどうとかの前に、とりあえず『ジャストで演奏する』こと、そしてそれに『強弱表現を加える』ことを目標にすることが大事だと思います。
結局ステージ(ライブ)では、クリックを流しながらやらないし、その時の気分や感情、雰囲気がすごく左右します。
そこで日頃練習したことが、やはり自然に出て来る訳で。
つまり、日頃ジャストを目指して練習していても、機械的なジャストではなくて、心地いい、程よい感じで揺れてしまう。
しかし、練習のお陰でそんなに極端に遅くなったり早くなったりはしない。
あくまで許容範囲の中で演奏が出来る状態になっている訳です。
ジャストはジャストなんだけど、ちょっと早めにテンポをとってたり、ほんのり遅めにとってたり。。。
まるで人の呼吸のように、一定の中の程よい揺れ。
それがグルーブなのかもなぁと感じてます。

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