首筋が痛む。キリキリと電流が流れるような痛みに目が覚めた。カーテンが開けられた大きな窓から光が差し込んでいる。
ん?首が痛い?痛みを感じている?慌てて首を動かしてみた。動く!身体も動かしてみた。感じる。両腕も、胸も、やや痛みが残るが、感覚がある。起き上がってみようとした。しかし、やはり下半身に力が入らない。麻痺したままのようだ。両腕も起き上がろうと力を入れると、激痛が走る。それにしても、昨晩まではまったく全身の感覚がなかったのに、上半身だけでも回復したのはよしとしなくてはいけない。
「おはよう・・・」
静かに、あの女性が入ってきた。
「こ、こは、どこ、なんで、すか?」
まだ舌に多少の痺れを感じ、うまく喋れないが何とか声が出た。
「だいぶ回復なされましたね。」
朝食を持ってきたようだ。身体を起そうともがいていると、
「まだ、一人で起き上がるのは無理ですわ。」
それでも必死に起き上がろうとする。
「ちょっと待ってください。」
そう言うと、彼女は私の脇から両手を差込み、起き上がるのを介助してくれた。ほのかに薔薇の花の香りがする。私も精一杯に身体に力を入れた。彼女の胸の膨らみが直接私の胸に押し当てられる。彼女なのか私なのか心臓の鼓動の早くなるのも感じる。思わずのどが鳴った。
やっと上半身をベッドの上に起き上がることが出来た。彼女は私の腰のあたりにクッションをあてがってくれる。
「食事は食べることが出来ますか?」
トレーにスープとグラスに入ったミルクが乗っている。
「あ・・・」
頷いてグラスを取ろうとしたが、やはり腕の痛みを感じ、うまく持てない。
「痛みますか?私がやります・・・」
彼女は私の首に腕を回し、グラスのミルクを飲ませてくれた。やはり、今度は彼女の胸が肩のあたりに密着される。意識すればするほどその感触が伝わる。
何を動揺しているのだ!
「う・・・」
むせ返ってしまった。ミルクが口元からこぼれる。
「あ、ごめんなさい。」
と、彼女は私の口の周りに溢れたミルクをふき取った。自分の唇で。
「えっ?」
驚く私の目を見つめると、彼女はふっと微笑んだ。そして私の口の周りを、ぺろりと舐めたのだ。その赤い唇と舌が、艶やかに光る。心臓の鼓動が高まっていくのを感じた。
以下次回


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