「バンドやりたし。当方ボーカル。全パート募集。ツッパリ不可。」
KENNYのバンド活動 等
いや、僕のバンドのメンバー募集ではありません。ふと、昔はこういうメンバー募集って多かったよなあと思い出したのです。
今はバンドのメンバー募集でしたら、ネットにいくらでもそういうサイトがありますが、昔は雑誌のメンバー募集(通称メンボ)にハガキを送って載せてもらって連絡を待ったり、楽器屋の壁に貼らせてもらったりして募集したものです(現在でもこれらの形は残っていますが、昔より明らかに少なくなりました。今でもコーナーを読むのは好きです)。
僕も何度か雑誌に載せ、メンバー募集をした事があります。今考えると、色んな人からの応募があり、興味深かったです。「それじゃあ新宿で会いましょう。目印にKISSが表紙の音楽雑誌を持ってますから」なんて連絡を取って、喫茶店で話したり、お互いのデモテープを聴かせあったりしました。そこで「ぜひ一緒にやろう!」とか「じゃあ今度スタジオ入りましょう」となる事もあれば「今回は見送りという事で…」となる場合もありました。
メンバー募集を見ていると、良く目にするフレーズがありました。「当方ボーカル。Vo以外、全パート募集」なんていうのは良く載っておりましたし「ヘタクソ不可」「初心者不可」「中級以上」などというのも良く見ました。逆に「初心者歓迎」というのもありました。
その中でも定番だったフレーズは「ツッパリ不可」「ヤンキー不可」「リーゼント不可」「パンクス不可」「長髪不可」でしょう。メンバー募集においては、これだけできちんと読む人に伝わったものです。
同じ種類に「ビジュアル系不可」というものもありまして、これは現在でもライヴバンドの募集などで現役で使われているフレーズです(他に「コピバン不可」というのもあります。※ コピバン=コピーバンドの略)。
最近登場したフレーズでは「タバコ吸わない人」というものがあります。当時も「下戸不可」「酒飲めない奴不可」というのもたまに見ましたが、時代の移り変わりを感じます。
それから「ギターやりたし」「レッド・ツェッペリンやりたし」など、「やりたし」というのも良く使われました。雑誌では字数の制限がありますので、箇条書きに近いこのようなスタイルが定着したのだと思われます。「完全プロ指向」というのも良く使われました。
メンバー募集を見ていると、ドラマーが慢性的に不足しているという深刻さも感じられます。ドラムを募集している人たちが実に多いのです。僕はドラムであまり複雑な演奏はできませんが、それでもドラムを叩けるしコーラスもできるというので、色んなバンドに呼ばれて叩いたものです。
あと印象に残っているのは「コネあり」というフレーズです。これは「コネがあるから、もしかしたらデビューできたりするかもしれないよ?」という、実に魅力的な文句でしたが、実際にそのコネでデビューできたのかどうかは不明です。
「当方ボーカル。Vo以外、全パート募集」というのもクセモノでした。「好きな曲を歌いたいんだけど、ちょっとキミたちボクのバックバンドやってくれない?」というニュアンスが強く出たものもありました。当時はカラオケ文化もありませんでしたので気持ちはわからないでもないですが、僕の場合はこういう募集は読み飛ばしておりました(スミマセン。でも真面目な人ももちろんいたと思います)。
「メンバー募集って、ろくな奴来ないよね」という話も良く聞いたものです。詳細は書きませんが、確かにそういう事も多かったかもしれません。
雑誌や楽器屋のメンバー募集コーナーには、それぞれ様々な出会いやドラマがあったのでしょうね。
ところで、今も「文通コーナー」を設けている雑誌はあるのでしょうか。