昨日、楽しみにしていたBS2の番組「歌伝説・安井かずみの世界」を見ました。安井かずみさんは、作詞家として4000曲にも及ぶ曲を作り、それらの曲は、今でも多くの人に愛聴されています。
一昨日のブログに、安井かずみさんが手掛けた曲で「これらの曲が紹介されたら嬉しい」と書いた曲も数多く流れました(
こちら)。
番組の前半は「みナみカズみ」名義で手掛けた洋楽を訳詞した曲もたっぷり紹介されました(「オー・シャンゼリゼ」「レモンのキッス」「ヘイ・ポーラ」「ドナドナ」など)。
これらの訳詞を手掛けるきっかけになったのが、とある出版社へ行った時に、すぐ近くで訳詞をし始めたスタッフに「こんな歌詞はどうかしら」と横から口を出し「おお、それいいじゃないか」と言われ、アルバイトとして訳詞を始めたというエピソードが興味深かったです。こんなきっかけで、後に日本の歌謡界の歴史に残る数多くの名曲を生み出す作詞家へと羽ばたいて行ったのですね。
番組内でコメントをしていたのは、作詞家仲間のなかにし礼さん、作曲家としてコンビを組んだ、平尾昌晃さんと加瀬邦彦さん、仲の良い友人としてムッシュかまやつさんと加賀まりこさんで、それぞれ興味深いエピソードを話していました。
加瀬邦彦さんがタイガースの「シー・シー・シー」を超特急で作らされた時に、安井かずみさんが作った歌詞を読んで、意味が全然わからなかった、というお話も楽しいものでした。「シー・シー・シー」はコード進行などから推測するに、デイヴ・クラーク・ファイヴの「ドゥ・ユー・ラヴ・ミー」を下敷きにしていると思うのですけど、この独特の歌詞が乗る事により、個性的な作品になったのだと思います。
ジュリーの「危険なふたり」の映像も嬉しかったのですけど、久しぶりにジュリーの歌う姿を見た「追憶」にはシビれました。当時からこの曲も大好きでした。
小柳ルミ子さんのデビュー曲について、どういう曲にしようかと打ち合わせをしていた時、作曲を担当した平尾昌晃さんが「作詞家は歌謡曲を書いた事がない人がいい。そういう人でも日本人なのだから、日本の事がわかるはずだ。安井かずみがいいんじゃないか」と主張したというエピソードも興味深いものでした。「わたしの城下町」は、安井作品としては異色の部類だったのでしょうけど、日本情緒たっぷりのこの曲は大受けし、大ヒットしたのですから、歌詞を頼んだ平尾昌晃さんのセンスもずば抜けていたのです。
キャンディーズの「危い土曜日」も紹介されました。スーちゃんがリードヴォーカルの時代だったキャンディーズの楽曲の中では、この曲が飛び抜けてファンキーです。この森田公一さんのメロディーも最高です。バックのMMPの演奏もカッコイイ。
ファンキーと言えば、和田アキコさんの「古い日記」も紹介されましたが、キャンディーズ「危ない土曜日」と同じく、曲の中で思わず「ハッ!」と叫んでしまうところも作品の共通点です。どちらの曲も、歌謡界におけるブラスロックの代表と言えるでしょう。
郷ひろみさんの曲では「よろしく哀愁」が放送されました。以前BSでも再放送された、静かに始まるヴァージョンでした。この中の「会えない時間が愛育てるのさ」という歌詞は、しみじみと本当に素晴らしいです。
辺見マリさんの「経験」も、ため息まじりにたっぷりと聴けました。これもスゴイ歌詞です。歌い出しが、ため息のような「やめて…」ですものね。番組では触れられませんでしたが、この曲が発売された時、辺見マリさんは19歳。当時の歌謡曲の、下世話でありながらも人を惹きつける魅力を改めて感じます。
この「経験」や、アグネス・チャンさんの「草原の輝き」などは、ヒット当時の映像が使われなかったのが少々残念でした。「草原の輝き」の当時の映像は他の番組では見た事がありますが、歌のキーが高かった当時の懐かしい映像を見たかったです。
ヒデキの曲からは「激しい恋」が選ばれていました。こちらも当時の映像ではなく「ヒデキ〜!」という合いの手がなく、少々残念でした。
浅田美代子ちゃんの「赤い風船」は当時の映像でした。最近は、歌の音程を修正する技術が発達し、テレビやラジオではピッチやリズムをガチガチに修正したヴォーカルが数多く流れておりますが、あまりにも修正しすぎて不自然なピッチの楽曲もありますので、浅田美代子ちゃんの歌を聴くと、なんだかホッと安心いたします。
加藤和彦さんとの出会いと、そのコンビで作られた竹内まりやさんの「不思議なピーチパイ」の映像もありました。結婚前のまりやさんの楽曲も好きです。
最後に流れた「若いって素晴らしい」を聴きながら、ジーンと感動いたしました。なかにし礼さんが「彼女は天才だった」と言っておりましたが、4000曲もの歌詞を作りながら、作る時に悩んだりした事はなかったそうです。才能に溢れた人だったのですね。
これからも、安井かずみさんが残した多くの名曲が歌い継がれて行くことでしょう。
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